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やる夫スレ

やる夫スレで面白く学べる三角貿易の壮絶な航海「やる夫と金糸雀で学べるかもしれない三角貿易の世界」

100%自分用やる夫まとめ やる夫と金糸雀で学ぶ三角貿易の世界 目次

コーヒーと砂糖がヨーロッパの幸福にとって不可欠なものかどうかはわからない、
だが世界の二つの大きな地域における不幸の原因となっていることは明確である。
                   ――――とあるフランス人旅行者の記述

本編15話のオリジナル歴史系学ぶスレ長編完結作品。
17~18世紀に行われ莫大な利益を上げた大西洋三角貿易の成り立ちからその結末までが、
新人船長金糸雀と奴隷やる夫の航海を追うことによって分かりやすく解説された良作です。

帆船を格安で入手することに成功したイングランド商人の娘金糸雀は、
ヨーロッパからアフリカ、そして南北アメリカ大陸と大西洋を一周し
船一杯の砂糖とコーヒーを持ち帰ることでニートからの社会復帰計画を企てたことが始まり。
そして投資を募り船員を雇って銃を始めとした積荷も揃えてアフリカ大陸へ無事出航し、
アフリカの部族同士の抗争に負けて奴隷となったやる夫を銃と交換して手に入れますが
ここからが大西洋を横断しなければならない過酷な三角貿易の本番。

先ず購入した奴隷を何百人単位で集めるにはアフリカ西海岸を半年かけて巡る必要があり、
そうして頑張って集めた船員より多い何百人もの奴隷は勿論反乱を起こしてくる。
更には慣れない赤痢に船員達はバタバタと奴隷達以上の勢いで倒れていく中で
広大な大西洋を三か月かけて横断しなくてはならなくて。

その新人船長金糸雀の苦難の航海に合わせた形で解説コーナーで参考になる知識が展開され、
三角貿易が一周する頃には貿易の中身と何をもたらしたのかを面白く学ぶことが出来ます。

本作はそんな新人船長金糸雀が辿った三角貿易の難しさを一から追体験出来る作品で、
実は奴隷よりも船員の方が死亡率が高く奴隷の方が大事だったことが特に印象的。
確かにアメリカで高値で売れる為にはしっかり食わせ運動させた健康な状態でないといけない。
船員の方は片道で死亡してもアメリカに着いた時に雇い直せば良いという環境の差に驚きつつ、
船員達も脱走し賃金交渉に励んだりと商魂たくましいエピソードの数々が刺激的でした。

更に各話の後にある解説コーナーではもっと深い三角貿易の中身を知ることが出来て、
そもそも何故ヨーロッパで珈琲、アフリカで銃、アメリカ大陸では奴隷が必要とされたのか。
その三角貿易が始まった背景からそれぞれの地域が最後どうなっていったのか。
結局ヨーロッパ(イギリス)が一人勝ちとなった仕組みが紐解かれていきます。

一番安定して得をしているのは最初と最後だけ登場して金を出した資本家達(と酒場)な印象で、
「全航海日数18ヶ月、その内アフリカをさ迷っていた期間が10ヶ月」というこの三角貿易を

金糸雀達は成功したのにも関わらず航海前後では凄まじい変貌を遂げていて、
奴隷を大量に雇用した大農園を営む水銀燈の暮らしも順風満帆な感じには見えない。
船員達はもっと安全に大金を得ていると思っていたので思った以上に過酷な実態でした。
そんな過酷な航海が金糸雀達AAでデフォルメされ楽しめて学べるので是非一読してみて下さい。

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