小学校お受験を控えたある日の事。私はここが前世に愛読していた少女マンガ『君は僕のdolce』の世界で、私はその中の登場人物になっている事に気が付いた。
私に割り当てられた役は、庶民である主人公をいじめ倒し、主人公と恋に落ちる通称皇帝と呼ばれる御曹司との仲を引き裂く、典型的な悪役お嬢様、吉祥院麗華だった。
物語の最後で、麗華は皇帝から報復され家ごと破滅させられる。悪役は消え、主人公達は苦難を乗り越えて結ばれる。めでたしめでたし。
ってそんなの困るー! マンガはそれで終われるけど、私には没落後の人生があるんだから!
主人公達は恋だ、愛だとどうぞお好きに騒いでいてくれてて結構。私は皇帝の怒りを買わないように、存在消してます。
えっ?悪役がいないから物語が上手く進まない? でも私は没落後を見据え、貯金と勉強に忙しいんです。少しでも破滅を回避する為に、皇帝には関わりたくないんです。運命のカップルなら、障害がなくても自力で盛り上がって下さいよ。
前世はド庶民。現世はお金持ちの家の悪役お嬢様。ジャンクフードの味が忘れられず、こっそり家を抜け出して、ポテチ買いに行ってます。
主人公の吉祥院麗華様の可愛さに心が思わず浄化されていく、
前世庶民で今世悪役令嬢が面白可笑しい日常を送るポンコツ可愛いコメディ作品を紹介します。
自分は本作と”はめふら”で一般的な悪役令嬢作品は最早読めない体にされてしまいました。
更新停止から5年以上が経過した今も尚読者による感想欄の更新は留まることを知らない本作。
時間経過で埋もれていく名作を紹介したかった本サイトの200作品目として
今回も無事にこの記事の投稿まで続けられて良かったです。連載開始から今年で10年か…
小学校の受験前に前世の記憶を思い出し、
ヒロインへの嫌がらせの主犯格として最後に完膚なきまでに叩きのめされる、
大人気少女マンガの悪役令嬢となっていることを知った主人公。
取り合えずマンガの筋書き通りに悪役キャラになるのは全力で回避するため
謙虚、堅実をモットーとし誰も敵に回さないように立ち回ろうと志す。
しかし、名門たる瑞鸞学院の選ばれし者にしか入る事が許されない、
圧倒的な権力を持つ特権階級の「牡丹の会」という組織のメンバーに
原作通りに入ってしまったことから彼女の小学校から高校生活に及ぶ苦労人の幕が上がります。
299話で更新停止となった本作ですが、最初の40話での小学校編で本作の世界観に触れて
原作ヒロイン高道若葉が編入してくる74話から本編の高校生活が始まっていきます。
悪役令嬢ものは原作ヒロインをざまぁして蹴落としていく作風も多いですが、
本作はこの高道若葉ちゃんと主人公の間の圧倒的な尊さが臨界点を超えていて震える。
77話でついに主人公麗華様と初邂逅した若葉ちゃんは、
庶民の分際で特権階級を抜き去っての成績トップに躍り出て周囲の嫉みを一身に受けることに。
彼女がこれ以上やっかみを受けないように主人公は
主人公に注意しろという旨も記載の完全対策マニュアルを彼女の机に忍ばし陰ながらサポート。
主人公が所属するピヴォワーヌでは、これ以上庶民に学院の品位を落とさせないように
若葉ちゃんに目を光らせておけと命令される一方で陰日向に100話近く支援し続けて、
それが絶体絶命のピンチで遂に実った以下の場面が本作で本当にたまりません。
「吉祥院さんが瑞鸞で一番信用できる人かな」
194
「だって吉祥院さん、裏でも私のために動いてくれているでしょ?」
200
そんな尊さ全開の若葉ちゃんと主人公以外のキャラクター達についても、
皇帝と呼ばれる鏑木雅哉を始め魅力的なキャラクター達がたくさん登場するのもポイント。
一般的には若すぎて興味が湧けないような小学生編から始まりますが、
本作のキャラクター達は非常に濃いので飽きません。
そして主人公の天下一品なポンコツ可愛さぶりの序章が味わえます。
そんな全力でお勧めしたい魅力が光る本作なので、
まだ読んでない方もそして既読の方もこの機会に是非読み返してみて下さい。
感想欄に同士がたくさんいます。
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紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) March 30, 2023
悪役令嬢でありながら原作ヒロインとの
圧倒的な尊い関係が何年経っても光り続ける、
なろうを語る上で誇張なく外せない
全力でお勧め作品です。
悪役令嬢のジャンルを築き上げた傑作
「謙虚、堅実をモットーに生きております!」
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コメント
これはガチ名作
また更新されんかなぁ
コメありがとうございます!
100万字超の作品なのにもっともっと読みたかったと思わざるを得ない良い作品ですよね‥
懐かしい……ほんといいんですよね。
超絶お嬢様という立場とは裏腹に、中身はあくまで庶民。
そんな等身大の人間が、損得抜きで周囲の人間を助けようと頑張る姿はまさに麗華様と呼ぶのが相応しい。
個人的には周囲に若葉ちゃんへの嫌がらせの犯人と誤解された時に、かつて助けた望田さんが全力でかばってくれるとこ好きですねー。
コメントありがとうございます!
若葉ちゃんと麗華様を推すだけでこの長さとなり
その他キャラクターでまとめてしまいましたが、
震えながら庇った望田さんや皇帝に直言した芹香ちゃん達のあのシーンは本当にしんみりしますよね‥
ある意味主人公を売った多垣君との対比のコメディもありw
他レビュー等でも男女の差もありますがみんな個々人で違った推しポイントを記載されていて
本当に幅広い人に突き刺さった偉大な一作でした。
実はたまに読み返しておりますが、後数話のところでどうしても読めなくなってしまうのです。途中で途切れていることがあまりにも惜しまれる作品だと思います。
読み返した際のその気持ちが非常によくわかります。
そんな読者達にも未だ尚愛され続けてているのが
本作が読者に与えた衝撃の大きさを物語っていますね。