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これはニートを目指す少女と、それを阻止せんとする両親とが繰り広げる壮大な『あいとゆうきのおとぎばなし』である。
嘘である。
全4話の短編のマブラヴ オルタナティブの2次創作。
原作の犠牲の果てに作り上げた平和な日常が体現され、
原作既読者にはシリアス要素皆無なその日常の描写が涙無しには見れません。
主人公は白銀武の娘として生まれ、
「地球外生命との全面戦争から地球を救った英雄の娘」として扱われて
友人の家に遊びに行くと先ずご両親にお礼を言われるような生活を送っていた。
煩わしいことこの上無い立場な主人公なので、
人付き合いが面倒になるあまり『自宅防衛軍』ニートを目指すことになってしまうが、
そして、その過程で両親から告げられた真実を知り人として成長していく――――
といった綺麗にまとまった短編が本作です。
本作の魅力は先ずセンスあふれる主人公の個性が素晴らしいです。
これぞ戦後世代と呼ぶべき平和なぽややんとした感じが
とても良く描写されていてクスっとさせてくれます。
毎日毎日ボクらは軍曹の 罵声聞かされ 嫌になっちゃうよ♪
久し振りのアカネちん・今日の名言。
「脳みそかっぽじってよく聞け!」
死ねということだろうか。
一方で戦中世代がどんな”想い”で戦争を戦いぬいたのかについても迫真に迫っていますが、
この作品の一番の魅力は一見して戦中世代vs戦後世代の二項間対立で終わらせられる話を、
その対立している両者を昇華しひとつの結論を導き出す一連の話の見事な展開でした。
是非、戦い抜いた彼女を本当に安心させてあげさせてほしいと感情移入せざるを得ない、
綺麗にまとまっている短編なので是非一読してみてください。
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