
中年サッカー
日常 才能 ダメ人間 ダメ中年 夢なき世代 あきらめない人生 夢はいくつからでも 人生は終わらない ネット小説大賞七
受験戦争、就職氷河期と夢なき世界を過ごし、FXで失敗し、仕事を選ぶ余裕もなく親の伝手で月給138000円の仕事に就いた中年、天城大輔。
才能がない自分はなにをやっても駄目だと人生をあきらめていたが、実はサッカーの天才だった。
42歳にしてその才能が開花する。
従業員八人の中小企業に勤めていた主人公は人生で様々な失敗をし夢破れた日々を送っていた。
そんな日々の中、後輩に草サッカーの試合に誘われて試合に出てみることに。
いざサッカーの試合に出てみると今まで一度もサッカーをしたことがないにも関わらず、
ボールを持つと敵チームでさえも惚れ惚れするような華麗なプレーを見せ、
1試合で4アシスト、3ゴールの異次元の活躍で天才的な才能を(42歳にして)開花させる。
たまたまその見事なプレーを見た大学生の女子が一目惚れして付き合うことになったり。
これまでの悪循環な人生が一変し、日の丸を背負って立つまでに成長していきます。
本作はそんな中年の成り上がりストーリーですが、
成長していく主人公に魅せられて、勤めていた中小企業も再生していく裏テーマがとても良い。
始めて読んだ際は主人公の成り上がりっぷりが爽快だった本作だが、
今読み返すと人手不足にあえぐ中小企業の悲哀、年配の工員達の心情も良く分かる。
既存の価値観を捨てて見事に転換することが出来た社長も素晴らしい。
そんな成り上がっていく主人公以外のサブキャラクターも魅力的に描かれている、
とても良くまとまっている読みやすい中編なので是非一読してみてほしい。
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