高校野球モノ。
舞台は、昭和と平成を適度に混ぜた時代設定の甲子園。
主役の選手もチームもなく、記事やエピソードになりにくいプレイを1シーンとして抜き出す形で、1話ごとに別の選手の視点で描いたものです。選抜大会に合わせて1回戦から決勝まで、全部で5話の予定。
多少、毒が混じった内容なので、『ああ、昔はこういうこともあったんだ』という感じに楽しんでいただけたら幸いです。
長編人気作「速水龍一で始める『はじめの一歩』。」を書かれた、
高任斎さんの全5話のオリジナル野球短編完結作品。
野球というスポーツについて前提知識がある方にとてもお勧め出来るコアな作風の作品で、
基準としてはヒットエンドランとランエンドヒットの違いが分かるぐらいな方でしょうか。
メディアで注目される160kmの直球も、天高く舞い上がるホームランの描写も一切ない
球児の目に見えない泥くさい努力にスポットを当てるニッチな魅力が溢れている作品です。
このような作品が生まれるところにWeb創作の力を感じました。
本作を読むと、2019年イチロー引退会見の「MLBは頭を使わない野球になってしまっている」「日本の野球は頭を使う面白い野球であってほしい」という言葉が思い浮かびます。
確かに最近の現代野球の流れとして名作マネーボールに始まった野球の数値化により、
単純に球速とスピンレートの向上を追い求めていく投手と、
統計理論によるスタンドを超える打球だけを追求した効率的なバッティングの、
只管に理論的な「空振りかホームラン」の動かない野球が目に見えるようになった。
そんな現代野球で「データには一切現れない」技を駆使していく、
本作の主人公たちはとても新鮮で自分に野球の魅力を再認識させてくれました。
1シーンに切り取った作中に、WARでは表すことが出来ない野球人の生き様が描かれます。
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紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) November 3, 2022
160kmの直球もホームランの描写も一切ない、
球児の目に見えない努力にスポットを当てた
野球の魅力を再認識させてくれた短編完結作です。
頭を使う面白い野球の魅力、ここにあり
「甲子園の空は、ただ蒼く。」
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