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なろう小説

現代知識でファンタジー世界の災厄を防止し総合商社を作り上げよう「予言の経済学 ~巫女姫と転生商人の異世界災害対策~」

予言の経済学 ~巫女姫と転生商人の異世界災害対策~
R15 残酷な描写あり 異世界転生 身分差 ラブコメ 天災 成り上がり 現代知識の応用で無双 魔脈災害 保身(笑) ビジネス 生物学 人災 魔力学

「どうか聞いてください。今年、西方より大いなる災いがこの国を襲います」
 平和を謳歌する王国に王女アルフィーナの不吉な予言が告げられる。だが、反逆者の血筋を疎まれる姫の言葉は無視される。
 経済学部院生から行商人の子に転生した主人公リカルドは身分社会で大商人の妨害に苦戦。情報を求めて入った学院でも早々に反感を買っていた。
 そんなリカルドを庇ったのはアルフィーナだった。「王女なんてボラティリティーの高い人間には近づかない」と保身に走ろうとするリカルド。だが「策士を気取ってる割にチョロい」と幼馴染に嘆かれる彼は、姫の予言に巻き込まれていく。
「もっともらしさは問題じゃない。仮説の成否を検証できるデータをどう取るかが重要だ」
 災厄の本体ではなく被害後しか映さない予言に対し、リカルドは現代知識の概念を魔力災害に応用することで解明していく。

全280話100万字の書籍化済み長編完結作品。
ファンタジー世界で商人に転生した主人公が成り上がり総合商社を創り上げる為に奮闘し、
さらに魅力的なヒロイン達と魔法と科学を理論的に融合させた極めて完成度の高い作品です。

ファンタジー世界の豊かな農業国で零細商人の息子に転生した主人公は、
平和を謳歌し統治が安定している代償に硬直した身分制度を含めて極めて保守的なこの国で、
大学院での知識チートは全て前例がないことを理由に邪魔され続ける日々を送っていた。
そこで出会ったのが大いなる災厄がこの国を襲うという危険な予言を行ったことから、
周囲から孤立していた同級生であり巫女姫アルフィーナ。
以前身分差で困っていた所を彼女に助けてもらった礼として、
曖昧な予言から現代社会学の知識によって災厄の場所と種類を特定に成功した所、
この災厄は自分の近くで発生し自分が途轍もない被害を受けることが発覚。

いくら災厄の原因と場所が分かっても災厄を防ぐために一平民でどうやって国を動かすか。
第一章の災厄を防ぐに至った見事な知識チートと調整力から主人公の成り上がりが加速し、
飛竜が飛び回る魔獣の住処に資本主義の精華・国際交易都市を築くことを目指していく。

その成り上がりの過程で統計分析に始まってロジスティクスの改善に敵国との情報戦、
更には経済学のみならず生物学に量子力学に及ぶ知識チートの集大成が披露されます。

本作は一つの学問のみではなく様々な学問の知識チートが面白く展開されるのが魅力的で、
最前線での武力によってではなくコネが支配する社会で完全に裏方から世界を変革する。
ボールベアリングやコンテナ更には半導体に至る現代社会の様々な発明品の重要性が、
主人公が身の破滅を防ぐために奮闘する過程で面白く学べます。

本当に様々な学問が登場するのでタイトルの経済学要素が途中から薄くなりますが、
最終11章では国家予算の8倍近くの資金を見事に調達した圧巻の経済学が展開される。
さらにその知識チートのみではない作品でヒロイン達もとても可愛いのも魅力的で、
特にこの世界の歴史を10年早めた151話でのミーアとの以心伝心ぶりがとてもアツく、

先輩は策士を気取っている割にはちょろいので信用できません。

と普段から言いつつも窮地で見せてくれた信頼ぶりは胸が熱くなりました。
そんなキャラクターはとても可愛く、現代知識は学べて成り上がり内政要素は面白い。
各章毎にしっかり起承転結もついた見事な完成度な作品なので是非一読してみて下さい。
後半に進むにつれ学園から世界規模にまでスケールアップしていく構成は本当に見事。

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