PR
やる夫スレ

味方に見捨てられた孤独な生存者の壮大な復讐劇「虎よ! 虎よ!」

それにつけても金のほしさよ 虎よ! 虎よ! まとめ

アルフレッド・ベスターによる同名SF小説を原作とした全14話長編完結作品。
絶体絶命の窮地の中で信じていた味方に裏切られてしまった
主人公ガリー・フォイルによる正に虎のような復讐譚が綴られます。

本作品でやる夫スレ紹介100作品目となり節目で紹介したかった
やる夫スレ屈指のSF作とも名高い作品です。

敵の軍艦に撃沈され宇宙を漂流していた輸送船ノーマッド号。
その輸送船でたったひとりの生存者となった乗組員のガリヴァー・フォイルは
限られた極小の生存空間の中で必死のサバイバルを半年間に渡って続けていた。
そしてそこへ偶然味方の宇宙船ヴォーガ号が通りかかり、
必死に合図を送るフォイルですがヴォーガはこれを完全に黙殺し通り過ぎる。

自分を見捨てたヴォーガに復讐を誓ったフォイルは何とかエンジンを再始動させることに成功。
そこから「たとえ何年かかっても、生きて地球へ帰る、そしてヴォーガを必ず殺す!」
と怒りのあまり虎のように生まれ変わった主人公による壮大な復讐劇が幕を開ける。

輸送船ノーマッドが運んでいた戦争を終わらせる力を持つ積荷パイアとは何なのか。
そして果たして何故味方艦ヴォーガは通り過ぎていってしまったのか。
主人公フォイルの復讐の進行と共にその真相が明らかになり、
ただの個人の復讐に過ぎなかったスケールが世界へ拡大し壮大な終盤で締められていく。

本作は何といっても圧巻のAA表現が魅力的。
序盤のノーマッド号のサバイバルに主人公と一緒にのめりこめる絶品な描写に始まって、
主人公の感情の高ぶりと共に浮かび上がってくる虎の刺青と、
原作の描写を分かりやすい見事なAAで描写され原作をさらに昇華させた大作になっています。

そして人生を遊んで暮らせる大金を得てもあくまでも見捨てられた敵に復讐を費やしていく
あまり共感はできない主人公の苛烈な性格も序盤の描写から説得力を持って描き切り、
主人公の復讐にかける熱量がバリバリと読者に伝わってくる。
復讐の行方を見守っていると気づいたら全部読み終わっていた。そんな夢中になれる名作です。

記事紹介ツイート(作品が面白かったらいいねをお願いします!)

スポンサーリンク
シェアする
夜市よいをフォローする

コメント

  1. 匿名 より:

    恐ろしいほどに素晴らしい作品でした。
    虎を知るきっかけを頂けたことに感謝を。

    • 夜市よい より:

      こちらこそコメントありがとうございます!

      やる夫100記事目に紹介しようととっておいた作品だったので
      恐ろしいほどとまでの好評価頂けて嬉しいです!
      昔はみんな知っているレベルの名作だったんですが今でも健在ですね。

タイトルとURLをコピーしました