アフリカ大陸南端近くに、一つの国がある。ボツワナ共和国。
混沌の大陸・アフリカにおいて、奇跡ともいわれる経済成長を遂げた国である。資源に恵まれているのはボツワナだけではない。
アフリカ大陸のかなりの国には豊かな資源がある。
にもかかわらず、そうした国々のほとんどは政争に明け暮れ、
資源を巡って凄惨な内戦を繰り返すありさまである。なぜ、ボツワナだけはそうならなかったのか?
もちろん、国民や為政者の努力もある。
しかし、こう聞かれたボツワナ国民の多くは、
ひとりの名を上げるだろう。初代大統領、セレツェ・カーマ。
その人こそ、ボツワナをここまでにした立役者であると。この物語は、
この国土のほとんどが砂漠である貧乏国家を立て直した一人の政治家の物語である。
先ずこのあらすじ自体の名文から始まる、
初回投稿後早10年が経とうとしている今尚やる夫学ぶ系不朽の名作と名高い本作を紹介します。
恐らく次の10年が過ぎ去ってもこの評価は不変でしょう。
アフリカの小国ボツワナ共和国で起こった奇跡の歴史を追いながら、
南アフリカ全体の20世紀を振り返る本編24話の長編完結作品です。
国家全体で大卒者が22人・高卒者が100人、しかも近隣諸国に味方はいないという
死亡フラグしかない貧乏国家の大統領となった主人公やる夫が、
発展途上国から先進国手前となる中進国まで国をどうやって導いたのかが語られていきます。
本作の学ぶスレとしての大きな魅力は、このサクセスストーリーを描写するのみならず、
その面白く読みやすい物語を通して以下のような疑問を体系立てて解説されている所。
- 「何故貧困から抜け出せないアフリカ大陸でボツワナは経済成長することが出来たのか」
- 「何故農業が最大の産業となっているのに「アフリカの食糧危機」が騒がれるのか」
- 「何故アフリカは民主化後に民族紛争が激増したのか」
- 「何故ジンバブエはあの悪名高いハイパーインフレを引き起こしてしまったのか」
これらアフリカの貧困化の理由が段階を踏んで説明される分かりやすい解説を通じて、
浅学の自分にも近代化には「言葉」と「文化」を抜きに語れないことが良く分かります。
資源国だから単純にその資金でインフラ整備と教育の充実を計れば良いという話ではなかった。
そんな非常に分かりやすいアフリカ大陸全体の解説に加えて、
もちろんボツワナ自体の躍進する物語の面白さは全く引けを取っておらず、
その経済成長の過程と終盤の国民の20%が感染したエイズをどのようにして食い止めたのか等、
本当にボツワナの歴史に惹きこまれる内容でした。
普段メディアで放送されないアフリカの知識を楽しく学ぶことが出来る
10年経っても色褪せない歴史系学ぶスレの名作です。
自分も上記箇条書きに羅列した理由を忘れる度に本作を読み直しています。
記事紹介ツイート(作品が面白かったらいいねをお願いします!)
紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) November 6, 2022
歴史系学ぶスレ不動の傑作な本作の魅力を描くのに、
この余白の140文字はそれを書くには狭すぎる。
ただしっかり記事に魅力を詰め込みました。
楽しみながら学ぼうアフリカの歴史
「やる夫はアフリカで奇跡を起こすようです」
https://t.co/HZXHNmiYjy
コメント
まず序盤の結婚のエピソードだけでも面白いから見てほしい
国家運営や外交の歴史が簡単でわかりやすくなってるし、作者が参考文献も上げてくれているので興味を持てば深掘りもできる
モーリシャスはかわいい
南アフリカのアパルトヘイトの戦いは本当に熱い
コメントありがとうございます!
何年経っても色褪せないやる夫学ぶ系ならではの学べて更に面白いという名作で、
自分も本作からアフリカに興味を持ちルワンダ銀行総裁日記等で深掘りしていったのを覚えています。
本当に熱量が感じられる良い作品でした。