本編58話完結の長編ファンタジー作品。
今や書籍化のみならずアニメ化作家にまでなられた富士伸太氏による、
異世界と現代日本を行き来し人よりちょっとだけ稼いで楽に生活することを目指す、
召喚術士ルイズと呼び出された現代人やる夫によるチート(ずる)生活が描かれます。
2021年に最新話が更新されているので一度読まれた方も是非読んでみて下さい。
天才召喚術士ルイズは家伝の召喚魔法を用いて現代日本からやる夫を召喚することに成功し
試しにルイズが通う魔法学院の期末試験のサポートをしてもらう。
しかし、サポートしてもらった科目は合格するも他の科目で留年が決まってしまったため、
予定していなかった一年分の学費を稼がないといけない事態に。
ルイズに助けてくれとお願いされ異世界を行き来できるようになったやる夫は
1仕事銀貨5枚でルイズを助けることに合意し、
そこから異世界でやる夫の小悪党オブ小悪党の本性が明らかになっていきます。
まず学費を稼ごうにも手っ取り早くスマホ等異世界産のアイテムを売るのは禁止されていて、
そこでやる夫が目を付けたのは馬の代わりに竜を競争させる競竜。
ファンタジー世界に場外馬券場やスマホはなく遠隔で買えないことに目を付け、
魔法学院内に勝手に私設の投票所を作るというノミ屋を開業する。
当然魔法学院や競竜との根回しは万全の上で、
現代知識による競馬新聞の配布やレース実況等もフル活用した
魔法という力と学院の権力を活かした隙間産業をあっという間に異世界で開拓。
そしてその調子で今度は現代日本でもルイズの魔法を使って小金を稼いでいって
二つの世界を股にかけての庶民的な悪事の数々が披露されていく。
本作はこのやる夫とルイズの小悪党っぷりがたまらない作品となっていて、
国や世界のような壮大な舞台ではなく、
自分とその周りだけを裏技を駆使してちょっとだけ良くしていく。
そんな地に足のついた悪事が見せられるので読んでいて共感しかありません。
ちょっとした悪事で非常に印象的なのは「兵役替え玉本位制度紙幣」のシステムで、
直面した問題を一つ一つ悪だくみによってクリアするとここまで辿り着くのかという
ルイズの理想の世界を創り上げるというその情熱には本当に恐れ入りました。
またやる夫の召喚前の過去も苦労したんだなと分かるような経験が随所で描写され、
特に現代日本編でのコネクションが繋がっていく様は親しみのある小悪党なんだなと
やる夫がこれまでに生きてきた人間性を知れて親しみを持てました。
4/25に発売される新作「バズれアリス」は同じ資金調達でも正に王道的なものでしたが
本作のような邪道も邪道でやっぱり良いですね。
1話当たりも読みやすい長さで58話でまとめられられていて
とてもお勧めなので是非一読してみてください。
関連作品
本作のノミ屋編を拡充した上で小説化した作品。
昨年別作品を紹介した投稿記事
同作者が解説文を寄稿した同人書籍
記事紹介ツイート(作品が面白かったらいいねをお願いします!)
紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) April 9, 2023
召喚術士ルイズと召喚された現代人やる夫による
異世界と現代日本の二つの世界にまたがった
庶民的な小悪党っぷりがたまらない作品です。
小悪党ルイズが作り上げる理想の世界
「華麗なる召喚術士ルイズの召喚獣、入即出やる夫」https://t.co/4sZgBXdDa3
コメント
懐かしいな……これでノミ屋なるものを初めて知ったんだった
しょうもない事考えるな、と思った覚えがあるわw
あと小説版も読んでみたけどナニカチガウ感が……
やる夫スレと小説だと勝手が違うんやなって
コメントありがとうございます!
ウマ娘で競馬に入った口なので自分も完全に知らない世界でしたが、
それでもセコいな!と思わせる印象的な出だしでしたね。
このルイズとやる夫の名コンビがやる夫スレで光ってました。
えっこの人青い鳥と人間不信の人だったのか
コメントありがとうございます!
そうなんです!やる夫スレから完全オリジナル小説と、
作者を追っていないと中々繋がらないので知ってもらえてよかったです!