どうしてそうなったかはわからないけれど、彼は彼女になった。
条件付けという首輪を嵌められ、遠い異国の地、イタリアで彼女は戦う。
与えられたのは小さな幸せではなく大きな銃。
不平、不満は許されることなく、
担当官を盲目的に愛するように調整された身体だけが自身の証。一年間という耐用年数を前に彼女は何が出来るのか。
これはそんな二度目の物語。
ガンスリ世代のネット読者では本作品を知らない方はいないのではという知名度を誇る本作。
なので特に原作未読者にお勧めするためこの記事は原作未読者向けです。
今となってはリコリス・リコイルの方がトレンドになっていますが、
リコリコの足立監督がこの原作には勝てないのであえてポイントをずらして作ったという
一言で言うとよりシリアスになったリコリコな名作ガンスリンガー・ガールの2次創作です。
そんな原作で「義体」と呼ばれるサイボーグに改造された少女に憑依した本作の主人公。
憑依した少女の銃を手にテロ組織を粛清していくという運命を背負わされるが、
義体には「条件付け」と呼ばれる洗脳を施されるため反抗は不可能。
さらに寿命は数年で尽きる運命であり、精神的にも身体的にも絶望的で
なまじ原作知識があるためにそんな厳し過ぎる状況であることを知っている主人公が、
それでも少しでも優しい結末を目指して同じ境遇の大切な仲間たちとの絆を築いていきます。
この作品で特筆すべきは先ず銃撃戦を始めとする戦闘描写で、
特に第二章「一マイル向こうの少女」での狙撃戦では、
銃のスコープ越しに描かれる自分と相手とのすれ違う心理描写がたまりません。
また、原作でのシリアスな舞台を見事に生かし切れていて
洗脳によって植え付けられた好意だと知っていても担当官アルフォドに縋るしかない描写、
そして夢での回想という形で描写される消された記憶の描写がとても切ない。
「ねえ、アルフォドさん。私はいつ何を書き換えられたのですか? 私を撃ったのは本当に五共和国派? それとも他の誰かなのですか?」
是非先ずは憑依する少女が何故義体となったのか背景が語られる、
第二章の「ピッツァの国のお姫さま」まで読んでみてほしい。
48話以降の第二期では、第一期で描かれていた展開から驚愕の立ち位置に変貌しますが、
最後の日記の描写で涙腺がゆるんでゆるんでしょうがない名作です。
ハーメルンで連載中の改訂版
「ブリジットという名の少女」⇒「ブリジットという名の少女【Re】」
この【Re】に重大な意味を持った異なる展開となっている殆ど新作。
Arcadia版読了後に是非こちらも読んでみて違いを実感しましょう。
作者推ししている「主(ぬし)」様が書いた本作品三次創作
「Her name is Charis!!」
ブリジット推しな主人公が本作品に爆誕する、コメディ描写が光る作品。
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