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交換日記に秘められたヴォルケンリッターの覚悟を描く感動作「じゃぷにか闇の日記帳」

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・6月7日 月曜日 くもり
 月曜日が来たぞー! とはいっても、私は学校に通っていないので関係ないのであった、まる。
 本を一冊読み終わる。ミステリ。
 ずんばらりんと首を斬られたけれど、きれいに斬られたので被害者はしばらく生きていた、という密室トリック。
 あまり私を怒らせない方がいい。

 達人が良い剣で斬れば、斬られた者がしばらくの間生き続けることは、実際にあります。
 数秒くらいですが。

 Signum

原作リリカルなのはの全12話中編完結作。
八神はやてと闇の書の守護騎士達との出会いが早まったら?のIFを描く原作再構成作品で、
真相が全て判明する読了後にはその伏線を思わずもう一度読み返したくなる感動作です。
可愛らしいタイトルからは全く想像できない終盤の展開に涙腺が緩むのは間違いないでしょう。

とある白紙の分厚い本を手にした八神はやてはその本を自分の日記帳として使用していたが、
ある日謎の「Signum」という人物から日記の返事が書かれていた。
自分しかいない家の日記帳に何故見覚えのない記載があるのか悩むはやてですが、
面白そうなので更に返信して正体を探ってみることに。
こうして始まった守護騎士達との奇妙な交換日記により原作と異なる結末が紡がれていきます。

本作は闇の書のページを交換日記で埋めていく、はやてと守護騎士の交流を描く本編の後の
裏話(Regenwolken)での伏線回収っぷりが神がかっている作品で、
本編の他愛もない日常に隠された交換日記であることを活かした叙述トリックを始めとする、
数々の気になった描写が次々に回収されていく匠の技には本当に脱帽です。
主人公はやてのみならず読者すらも騙し切ったこの守護騎士達の覚悟が本当に素晴らしい。

そんな衝撃が味わえる初回の読了後には描写を確認すべく直ぐに読み返したくなり、
守護騎士の覚悟を知った上で読み返してもしみじみとさせてくれる
1作で2度楽しめるとてもお勧めな作品なので是非一読してみてください。

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