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Arcadia

個性豊かな冒険者達が歴戦の戦トロルに集うまで。「戦トロルと三つ目の悪魔」

七三ゆきのアトリエ
https://nanamiyuki.com/
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まず断っておきますが、この作品は書籍では「マラザン ~斃れし者の書~」及び早川SF文庫多数。
ソフトウェアでは「Dragon age;ORIGINS」「TES:OBLIVION」に大きな影響を受けています。
上記のクリエイティブなに作品に触れるにつれ、自分の中でむくむくと膨れ上がった妄想をかなり大雑把に肉付けしたのが本作品です。
特に、「領界」の設定などマラザンそのまんま感が否めないので、非常に恥ずかしい。

全6話にて一部完結の本格ダークファンタジー系オリジナル中編作品。
現実から転生し英雄的な扱いを受けるに至った一人のトロルの成り上がりと、
そんなトロルに個性溢れるパーティメンバーが集うまでが描かれます。

主人公は少し未来の現実日本で異星人と真っ向から戦争し殉職するも、
傭兵稼業を生業とする戦トロルに転生しクラン随一の薬師にして召喚師となったゲランは
7,8歳にして影界から凶悪な悪魔を召喚し従者としてからクランで数々の偉業を果たす。

18歳の時に占い師から里を出て人間たちの住む街に向かえというお告げを受けて族長も承諾し
従者とした三つ目の悪鬼レーゼと共に大塔都市ララクへと向かうことに。
そのララクで腕利き冒険者へ成り上がった後に運命に導かれた仲間が集う過程が描かれます。

本作は主人公とその仲間たちが登場するまでという言ってみれば序章の時点で、
個性溢れるキャラクター達の説明感が全く無く物語に入り込めるこの文章力が非常に良い。
悪名を轟かせる悪魔レーゼに狂った魔道士イーレン。そして幽鬼にして剣客なロクシーのPTで
存在しない2部の華々しい冒険を感じさせてくれました。
そして第1部完結後の登場人物紹介ではゲランとレーゼの初召喚時の出会い等が記載され、
その作中裏設定もまた最初から読み返したくなる程良かった。

そんな魅力溢れる主人公とヒロインを描きチラ裏から数カ月で綺麗に完結させて、
その筋の方と確信するような表現力を見せてくれた本作は作者読みをしたい程好きな作品です。
この一作のみとは到底思えない完成度で特に痕跡もなく類似作品もピンと来ていませんが、
実は有名な小説の作者等で既に巡り合っていてもあまり驚きません。

本作をエター扱いか完結扱いかは分かれる所で中編完結の扱いとさせて頂きましたが、
惜しまれる所で終わっている良い作品なので是非一読してみて下さい。

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