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ハーメルン

原作とはまた異なる人生を賭けた白熱する戦車道「黒森峰の逸見姉妹」

黒森峰の逸見姉妹 – ハーメルン
ガルパンはいいぞ。 ガルパンの長編小説です。 3話ぐらいどころか50話超えました。 以下あらすじ 逸見カリエは二度目の人生を生きている。 けれどもその人生はちょっと不思議で、戦車道という身に覚えが全くない競技に打ち込んでいた。

逸見カリエは二度目の人生を生きている。
けれどもその人生はちょっと不思議で、戦車道という身に覚えが全くない競技に打ち込んでいた。
双子の姉の逸見エリカとはそこそこ上手くやりながら、前世との折り合いも付けていくハートフルタンクストーリー。

現在後日談連載中の全59話65万字ガルパン原作長編完結作品。
逸見エリカの双子の妹としてTS転生した主人公が黒森峰を前人未踏の10連覇へと導くべく、
前世経験故のトラウマと上手くいかない姉妹関係に悩みつつ原作キャラ達にぶつかっていく。
原作とは全く異なる展開で本格的な戦車戦の連続が楽しめる大作です。

ガルパン世界の逸見エリカの双子の妹としてTS転生し男性の心も持つ主人公逸見カリエは、
西住みほに及ばない戦術眼と姉エリカにも戦闘力で劣る黒森峰の中でも凡庸な少女であった。
そして精神年齢は大の大人にも関わらずエリカに世話を焼かれ苦手に思う日々が続く中で、
西住の屋敷に招かれたことが切欠で前世の野球経験故の圧倒的なデータ分析力が開花。
相手校に徹底的な対策を敷いて最適なタイミングで姉エリカを切り込ませることで大勝が続き、

西住姉妹とも並び称されるようになった逸見姉妹によって歴代最強との呼び声高い黒森峰に
原作では為せなかった前人未踏の10連覇がかかる戦車道全国大会がやってきた。

しかし原作にはいなかった主人公が加わることで単純に勝利ムードとはならず、
前世で溺死した為に大量の水を前にすると恐怖で動けなくなるという弱点を徹底的に突かれ
試合中に失神しお荷物となっても表面上能天気そうな主人公に逸見エリカの不満が爆発。

「もっと真剣に考えなさいよ! あんた失神したのよ! 下手をすれば命にだって関わったのかもしれない! だいたいあんたは昔からそうなのよ! こっちがどれだけ心配してもいつも飄々としていて、ちっとも本音を曝け出してくれない!」

「あんたが私に言われたことをいちいち書き留めているのも知っているのよ! そんなに私の小言が嫌なのならそう言ってよ! お前なんか大嫌いだと一言言ってくれればこっちだって諦めがつくのよ! あんたが優しいから、こんな私でも姉みたいに扱ってくれるから勘違いするじゃない!」

TS転生者が妹となったことで生じたこの歪な姉妹の形は一体どうなってしまうのか。
「第一章 黒森峰の逸見姉妹」で一つの解決となった原作一年前の前日譚が描かれます。
そしてそれによって全く原作とは異なる大洗女子学園の戦車道が生まれたことで、
西住みほではなく誰にも負けない情熱を持った秋山優花里だからこそ成せた戦い方が披露される
原作テレビ版ストーリー「第二章 秋山優花里の戦車道」が衝撃的な結末を以て描写され、

そして最終章では原作とは状況が一変した劇場版の対大学選抜チーム編を通して
TS転生に苦しんできた主人公が遂に自分の確固たる戦車道を見つけるに至った
「第三章 逸見カリエの戦車道」にて本編が締めくくられます。

本作は先ず主人公の逸見カリエがただ単にガルパン世界にTS転生してきたのではなく、
トラウマや性自認に苦しむTS転生ならではの要素が描写されているのが好きなところで
そんな主人公に対しても真正面からぶつかっていくエリカさんが可愛い。
前世の野球要素も序盤は息を潜める中最終章で主人公が自分の戦車道を見つけてから、
戦車道でクイックモーションに隠し玉にパスボールと野球用語のオンパレードが始まり
びっくりするのも束の間エピローグではしんみりすること請け負いな野球で締められて
最初は唯の前世設定だと思っていたのでこれには驚かされました。

そして作中何度も戦車道の試合が大ボリュームで描写されますが、
この戦車戦も最初から最後まで原作沿いではなく原作並に白熱しているのが素晴らしい所で

読んでいると作者過去作ブリジットの忘れられない狙撃戦が思わず浮かんでくる。
中でも印象的なのは第二章の準決勝黒森峰vs聖グロ戦となり、
全身全霊を賭けた試合で読者すらも完全に欺ききった策略家ダージリンには天晴れで、
主人公とダージリンとの恋愛模様も本作は描かれるのですがこの1戦があったからこそ
ダージリンが主人公にかける思いの強さがこれ以上なく伝わってきました。

そんな個性的な主人公に加えて原作キャラクターが魅力いっぱいに描かれる、
完成度が高いという言葉が相応しい大作なので是非一読してみて下さい。

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