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ハーメルン

ウマ娘世界の魅力が引き立つハルウララと歩む黄金の3年間「リィンカーネーションダービー ‐新人トレーナーがんばる‐」

リィンカーネーションダービー ‐新人トレーナーがんばる‐ - ハーメルン
その男には前世の記憶があった。  その男が生まれ変わった世界にはウマ娘という存在がいた。  だが、その男は競馬も競走馬もほとんど知らなかった。  その男が新人…

 その男には前世の記憶があった。
 その男が生まれ変わった世界にはウマ娘という存在がいた。
 だが、その男は競馬も競走馬もほとんど知らなかった。
 その男が新人トレーナーになった時、一人のウマ娘に出会う。
 そのウマ娘の名前はハルウララ。
 競走馬をろくに知らないその男でも、聞いたことがある名前だった。
 だからこそ、その男はハルウララをスカウトした。
 そしてその男はハルウララを育成し始めて思った。
「え? 競馬を知らない俺でも名前を知ってるぐらい有名なんだし、ハルウララってすごいウマ娘じゃないの?」

 この物語はウマ娘を知らず、競馬もほとんど知らない凡庸な男がウマ娘の世界に転生して新人トレーナーとして頑張る話である。

原作ウマ娘全145話140万字長編完結作で調整平均☆9.61・総合評価 88,262ptの、
ウマ娘界隈どころかハーメルン全体の総合評価現在6位という凄まじい作品。
チート能力もない新人トレーナーとウマ娘として弱すぎたハルウララの0から始まる成長譚を、
王道という言葉がこれ以上なく似合うストーリーで歩んだ3年間を描き切った傑作です。

ウマ娘世界に転生後見に行ったレースの熱量に圧倒され中央の新人トレーナーになった主人公。
実績もない新人トレーナーには誰もスカウトに応じてくれず途方に暮れていた所に、
小柄で桜色の髪のウマ娘から逆スカウトを受け名前を聞いてみるとそれはハルウララだった。
その名は前世では競馬に全く詳しくなかった主人公でも聞いたことのある名前で、
GⅠの第一線で活躍している強豪ウマ娘に違いないと大喜びでトレーナー契約を結ぶことに。
しかしいざ走りを見てみると短距離マイル中長距離の全てで最低に近いタイムを叩き出して、
ダートかつ短距離であれば何とか走りが見れるというそのレベルに衝撃を受ける。

そのままメイクデビューは9人中9着で未勝利戦で負け続ける中でもレースは楽しかったのだと、
現状に満足してしまっているハルウララはこのままでは未勝利のまま引退となってしまう。

その為天真爛漫な彼女のメンタルの強さと体の丈夫さを生かした過酷なトレーニングを続けて
彼女と関わっていくうちに現実世界から転生してきた主人公ならではの欠点が判明。
そしてそこから成長して真の意味でウマ娘に寄り添えるようになった主人公が、
このハルウララをウイニングライブでセンターを務めさせる挑戦が始まる。

そんな序盤のジュニア級が終わり一人前のトレーナーとなった中盤クラシック級では、
苛烈なバッシングによって担当トレーナーが休職し不幸のどん底にいたライスシャワーと
担当トレーナーにも一流を求めた結果挫折したキングヘイローと新たに契約を結び、
黄金世代にオグリキャップとBNWとハッピーミークが殴り合う魔境の世代の中で
担当した3名のウマ娘がそれぞれ歴史に名を刻む圧巻のレースが終盤まで続いていきます。

本作はそんな最弱のウマ娘と新米トレーナーが失敗を繰り返しながらも、
一つ一つ着実に成長していく様子が濃密に描かれる作品となっているのが何よりも特徴的です。
キャラクターについてもハルウララが挑んだ現ダート界最強のスマートファルコンを始め、
ネームドは勿論モブウマ娘たちもその背景がきっちりと描写される為にこの世界に入り込める。

自分に対する自信を持てないライスシャワーを無邪気に褒めちぎるハルウララのコンビに、
おばかさんと窘めるキングヘイローのチームメンバー3名の永遠に読める日常がたまりません。

そしてウマ娘2次ならではの熱いレース描写も素晴らしく、
領域等のゲーム要素が一切登場せず本格的な実況解説によって現実の競馬を見ている臨場感で
作中幾つものレースそれぞれに予定調和等
感じさせない白熱した戦いが楽しめます。

一番印象的だったのは作中ラストレースの東京大賞典となり、
ここまでの長い過程に思いを馳せながら走る最終回に相応しい締めくくりを見せてくれました。

最後まで毎日21時投稿で駆け抜けて連載中は毎日楽しみに追わせていただきましたが、
今回読みかえすと連載中は無かった素晴らしい支援絵の数々によって、
更に本作の魅力が引き立っているので未読の方も一度読まれた方も是非一読してみて下さい。

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