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ハーメルン

大団円を迎えても決して終わらないループの結末は「流石にもう死に戻りたくない」

流石にもう死に戻りたくない - ハーメルン
城下町の兵士Bに覚醒イベントは用意されていない。 もしも、始めからやり直せると言うのなら。 人類のガバをひとつ補完するくらいしか、やれることないよねって話。 も…

城下町の兵士Bに覚醒イベントは用意されていない。
もしも、始めからやり直せると言うのなら。
人類のガバをひとつ補完するくらいしか、やれることないよねって話。

もしも、始めからやり直せと言うのなら?

全3話11万文字完結の長編オリジナルファンタジー作品。
死に戻りを繰り返して聖女を救い大団円を迎えた人生が終わってもまた時が巻き戻っていた。
一体これ以上何をしろというのか。苦しみの果てに圧巻のトゥルーエンドを迎えた大作です。

田舎の小さな村で生まれて一般兵として魔王軍に立ち向かって戦死した主人公は、
気が付けば自分が生まれた時まで巻き戻っていた。

そして人類敗北の切欠となる聖女が殺された事件を防ぐため訓練に励み、
主人公の戦死と引き換えにして何とか彼女を救うことに成功。
聖女を救えたと自己満足に浸る主人公に彼女は恋を抱いていたため全く救われていなく、
次周は完璧に聖女を守り切っての魔王討伐を果たし両想いの聖女と結婚し老衰で死亡する。
そんなこれ以上ない完璧な人生を送った主人公ですが…

 気が付いたときには、赤子になっていた。
 流石にもう死に戻りたくない。

誰もが自分を何も覚えていない赤子に死に戻っての周回が何度も何度も続いていく。
決して終わらないこのループが一体どうやったら終わるのか。主人公の挑戦が始まります。

本作はそんなループを主題にした作品となっていて、
聖女を救うという目的があったために前向きに取り組んだ1話目のループから一転、
最早どうしようもなくなった2話目以降の落差からループの良さと辛さが両方味わえます。
主人公の苦しみがまざまざと描写される為に終始感情移入が出来て、
この孤独な主人公に付き添える理解者の存在が何よりも大事なのだと良く分かる。
ループの過程で勇者の家族等過去のループの真意が分かる構成もループものとして好き。

そして終盤はこのループを終わらせるべくあらゆる方法を試しながら奮闘し
倒される度に耐性をつけて蘇る為に魔王が最終的には絶対に勝つと宿命づけられた、
この世界の欠陥システムを見事に補完したトゥルーエンドへ到達する。

主人公が苦しみ抜いたからこそあの人を救えたこの構成は良かった。
そんなしんみりさせてくれる大作なので是非一読してみて下さい。

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コメント

  1. 愉悦部出身 より:

    重たさも絶望も全部好きです。
    ループものはやはり素晴らしいです。

    • 夜市よい より:

      愉悦部さんコメントありがとうございます!
      ループはただでさえ絶望的な局面におかれているのに
      自分1人でどうにかしないといけないのが難易度ルナティックですよね。
      そして無駄な周回はないこの構成が良かった。

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