銀英伝原作本編44話あんこスレ長編完結作品。
ダイスの結果銀河帝国の門閥貴族の名門ブラウンシュバイクに誕生した天才夜神月が
嘗てルドルフ大帝が目指した本当の銀河帝国を実現する為に根本から立て直しを図る。
そこに立ち塞がるのは銀河帝国を破壊せんとするラインハルト・フォン・ローエングラムで。
2人の天才が真っ向から並び立ってしまった銀河帝国の行く末が描かれます。
主人公は熱烈ダイスによって物凄い補正能力値が付いたフレーゲル枠の夜神月。
幼年学校並びに士官学校もへぼ詩人アルフレットと交友を持ちながら首席卒業を達成し、
後輩ラインハルトには戦術シミュレーターで熱戦を繰り広げライバルとなる。
そして配属されたブラウンシュバイク艦隊では外征にも耐えられるレベルに艦隊を一新、
次世代の門閥貴族の主役としてブラウンシュヴァイク陣営強化に励んでいた。
対するラインハルトとキルヒアイスも原作通り順調に出世していき、
主人公とまるで年の離れた兄弟のように戦術論や反乱軍の動向などを語り合う日々を送り
この3人で閉塞した銀河帝国の社会構造を変えるのだとラインハルトを信頼していく。
しかしルドルフの目指した本当の『銀河帝国』を実現すると語り、
ゴールデンバウム王朝に忠誠を誓う夜神月に対しその王朝を終わらせんとするラインハルト。
この2人の天才の道はどうしようもなく異なっていて。
ブラウンシュヴァイク公爵邸で発生した悲劇的なクロプシュトック事件の爆弾テロから、
嘗ては認め合って通じ合った者たちの戦いが始まります。
本作は幼少期にラインハルトとライバルとして認め合ってからの
ラインハルトが持つ野望の為に対立せざるを得なくなったこの関係性が特徴的で、
この2人の喧嘩する程仲が良い関係をコメディ感覚で楽しめた序盤と、
別々の道を歩んだ2人がどうなってしまうのかとハラハラが止まらない中盤が味わえます。
そんなラインハルト以上に本作で輝きを放ったのはへぼ詩人ランズベルク伯アルフレット。
軍事的には無能極まりない彼の交友と人徳によって作中序盤から終盤までずっと
主人公に影響を及ぼし続けた本作のキープレイヤーとして読者に多大な印象を刻み、
最終話での夜神月の独白は紛れもない名シーンでした。
ルドルフ大帝の新鮮な実績解釈もありまた新しい銀英伝な作品なので是非一読してみて下さい。
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