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なろう小説

こんな悪役令嬢いるか!?な経済戦記「現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変」

現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変
R15 異世界転生 乙女ゲーム 悪役令嬢 逆行転生 近代史 経済 金融 経済史 ご都合主義 女主人公 古い乙女ゲーム

現代世界をモチーフにした乙女ゲームの悪役令嬢に転生。けど、現代世界だからこそ悪役令嬢のスローライフにはいろいろと苦労があって、NAISEIするにも日本近代史と現代経済史とグローバル経済が主人公に襲いかかる。
頑張れ悪役令嬢!負けるな悪役令嬢!!ちょっと太平洋戦争に負けたり、バブルが崩壊したり、フィナンシャルクライシスが襲いかかるけど、ちゃんとスローライフを送るために主人公とイケメンを放置して歴史改ざんとマネーウォーズに身を投じる悪役令嬢桂華院瑠奈の奮闘記。

オーバラップノベルズより書籍3巻まで発売中。
Arcadiaの「大友の姫巫女」から長年大作を書き続け
遂に今作で書籍化となった二日市とふろう (旧名:北部九州在住)氏の作品。

今作を紹介するにあたり、先ずいくつか主人公のことが良く分かる
お気に入りのセリフがあるので引用したい。

「先ほど投資銀行のリーザン・シスターズがチャプター11を申請しました。ニューヨーク市場は大混乱に陥っています」 
始まった。私の破滅の始まり。
前世はろくでもない人生だった。
会社が潰れ、ブラック企業の低賃金で働き体を壊し、あっさりと解雇されてあとはそのまま底辺で野垂れ死にという末路。
何よりも時代が私達をないがしろにした。
これは、私が断罪される物語ではない。
私が、私達が時代に行う復讐の物語。
それに人生を捧げた私の物語の最後の幕を開けよう。
悪役令嬢らしく華麗に堂々と敗北しよう。
いつものように笑顔で、私は開幕の言葉を告げた。
「よろしくてよ。さぁ、ゲームを始めましょう」

2008年9月15日

「相手先の役員は全員退職させる。不正行為をしていた連中にはちゃんと罪を背負わせる。飛ばしを含めた不良債権は全額切り離して整理回収機構に渡す。金融危機安定化の為に合併や買収時に日銀特融を受ける。この条件ならば、三海証券を買うと大蔵省に伝えて頂戴」

二日市とふろう. 現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 1 (オーバーラップノベルス) (Kindle の位置No.490-492). 株式会社オーバーラップ. Kindle 版.

時代という大波に飲まれた多くの人間が、前世の私の姿が、今、目の前にあるではないか。 こんなものを見たくて私は悪役令嬢なんて役を引き受けたつもりはない。
私が負けるのは主人公だけだ! 時代なんてどうしようもないものに負けたくはない!

二日市とふろう. 現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 1 (オーバーラップノベルス) (Kindle の位置No.534-537). 株式会社オーバーラップ. Kindle 版.

このたった一言で役員を退職させられる自称悪役令嬢の主人公は現代社会に挑戦していくのだが、
敵が悪役ではなく時代という舞台設定の大きさと、
読者が思う現代社会の停滞感を主人公が華麗に粉砕していく点が本作品の大きな魅力。

上の引用文にもあるように”不良債権”等の経済用語が本作品には数多く登場するので、
用語に抵抗感を持つ人には評価が下がるかもしれないが、
逆に具体性を持った現代社会の成り上がりを表現できているという点は
長年小説を読んできたが本作品のみではないだろうか。

合う人にはぶっ刺さるので自分はWeb版と書籍を少なくともそれぞれ2週回している。
半沢直樹が好きな人には本当におすすめできる。

表のテーマが成り上がりでの時代への挑戦とすると、
裏のテーマは転生元の主人公が辿る破滅への道のりなのだが、
所々に挟まれる転生元の描写が余りにも不憫であり、
主人公も一歩間違えればこうなるのか…といった現実に押し戻される落差の表現も良い。

第一章の「私の髪が金髪な訳」で本作の面白さは十分に伝わるようになっているので、
是非まずは第一章の終わりまで読んでみてもらいたい。

一番のお気に入りの話は、
カサンドラの慟哭」の章からの「恋住劇場の敵役として」のエンディング。
あの当時の熱狂に参加した一員としていつも思い出を振り返ってしまう。

「カサンドラの慟哭」のタイトルについても、
一言で全てが表現できていて本当に素晴らしい名付けだと思うばかり…

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