ハリーポッター原作の全260話の長編完結作品。
魔法の才能が全くない主人公オッサムがハリーポッター原作に関わっていくことになり、
「鉄血」のタイトルに相応しい覚悟完了している主人公と、
中盤から炸裂した様々なオリジナル設定を全て纏め上げた見事なEDが圧巻な大作です。
闇の魔法使いによる拷問を受け廃人となった両親を持って魔法がほぼ使えないスクイブという、
悲惨な環境に置かれている主人公オッサム・トライクラウン(三雲修)は、
ハリーポッターと同世代の新入生としてホグワーツ特急に乗っていた。
その個室で出会ったのがマグル生まれの絶世の美少女ワイス・シュニーで、
外見はヴィーラでも頭脳はトロールという魔法界どころか人間界の常識にも疎い彼女に
何故かオッサムは懐かれてオッサムと一緒が良いとスリザリンに入ってきた結果、
93年ぶりのマグル生まれのスリザリン生が誕生する。
このままではスリザリン内で苛烈な虐めを受ける彼女を護らなければと
覚悟を決めたオッサムのホグワーツ生活が始まりますが、
生き残った女の子ルビー・ローズと寮の枠を超えた友人となったことから
賢者の石を始めとするヴォルデモートとの因縁に関わっていきます。
それまで全く友人を作ってこなかった絶世の美少女ワイスは何故オッサムと友人になったのか。
その彼女の特異な能力とホグワーツ生活に慣れていく序盤が終わったアズカバンの囚人編から
本作のオリジナル設定が炸裂し第7章ではその設定を全て畳み切った見事なEDが描かれます。
本作はシナリオシーンの演出と台詞回しが本当に上手い作品で、
第一章賢者の石だけでも「閑話 “秘翼恋理”」「第三十四話 Thank You」等
数々の名シーンが浮かび上がってきます。
クィレル枠のオルガ先生との結末は主人公オッサムの「鉄血」たる人間性を読者に浸透させて
その後描かれた教師の引継ぎ帳にはやられました。
またあんこスレらしい予想出来ない面白さも兼ね備えているのが魅力的で、
思い出してもつい乾いた笑いがこぼれてしまうあのワイス衝撃の3連ビンタや
巨人原種に近い魔法耐性を持っていたことに始まったオッサムの巨人設定の奥深さ等
ダイスで決まった展開を物語に上手く当て込んで見せた作者の技が光ります。
そして本作で一番笑ったのは不死鳥の騎士団編の無敵の人アンブリッジまさかの爆誕。
魔法省での出世の為の赴任の筈がなまじ隠しきれない良識の良さからの、
ホグワーツ教師と魔法省の板挟み生活からふっきれてしまった見事な爆発っぷりによって
主人公に敵対するキャラクターであるにも関わらず読者一同から応援されるに至りました。
ハリポタ2次は様々なアンブリッジの姿が描かれますが本作が一番面白いかもしれません。
野獣先輩ネタが割とあるので嫌いな方は注意ですが、
数々のオリジナル設定・キャラを上手く纏め上げた大作なので是非一読してみて下さい。
また本編の後日談が描かれる続編も現在連載中です。
【R-18G・あんこ・安価】希望と絶望と異常な魔法学校~私立ヴォルデモート幼稚園~【鉄血のオッサム】
コメント
これ途中で読むのやめちゃってたけど完結してたんですね
もう1回読んでみるか
コメントありがとうございます!
また最初から読み返しても面白いのは私が保証出来ますので是非是非。
本作の完結と入れ替わるように孔明さんのカミーユポッターが始まりどちらも傑作で良かった…
またいい作品をお教えいただきありがとうございます。
あんこ形式なので極端な目が出た場合の事故が怖いですが、事故ってもうまいことストーリーに絡められる技術があって読みごたえがありました。
作者さんの性癖がバリバリ出てる感じも大好きです。
EXAMさんコメントありがとうございます!
出た熱烈ダイスをしっかりと作品に活かすあんこスレならではの良さが自分も大好きです。
オッサムを読み終わって続編も読んでいます。
シリアスなシーンとギャグシーンが畳み掛けてくる展開がとても良いと思いました。
主人公サイドがひたすらズタボロになるシーンが多いので、ギャグシーンではっちゃけているのを見るとよかったなあと思います。
作者の性癖全開なうえあんこ形式でランダム性があるのに、ストーリーと設定がうまくできているので先の展開が気になる良い作品でした。
EXAMさん読了コメありがとうございます
数百話の大作でしたがそう言って頂けると紹介して良かったです!
笑える所は笑えて締めるところは締め伏線もしっかり回収していく。
高い水準で纏まっている大作でした。