全40話のオリジナルファンタジー長編完結作品。
既に紹介したSFの大作妖精航路の作者による異世界転生物作品で、
身一つで異世界転生した主人公三人組が苦労する異世界での生活から、
現代知識チートによって先ず生活の地盤を固めてから成り上がっていく物語が描かれます。
現代日本でそれぞれの事情があって引きこもっていたやるお・やらないお・できるおの三人は、
お約束の特殊能力もなく現地の人たちと会話は可能という条件で異世界に放り出される。
何とか最初に出会った現地湯治宿の主人ロレンス夫妻に拾われて
衣食住の対価として先ずは薪割りでの働きを求められますが、
この薪割りも貧弱な現代人にはキツイ肉体労働で当初のノルマも熟せそうにない。
このままでは放り出されてしまう命の危機に現代知識をやりくりして薪割り機の作成に成功。
こうして楽な生活環境の構築のために知識チートによる洗濯板やマザーマシンの製作に始まり、
暖房上下水道といったインフラにも手を付けて一国を挙げての大商いが始まっていく。
そんな基盤を整える第一部が終わって第二部では現地民の人死にが当然な過酷な環境を知り
力不足を痛感した三人がせめて人が人らしく生きられる世界を創り上げようと、
経営・内政領域に踏み出して開拓領主への成り上がりに向けて歩み出す様が描かれます。
本作は武力も特別な能力もない現代人三人組による知識チートによる成り上がり展開に加え、
作中で披露される現代知識チートの中身についてもAAで分かりやすく表現されているので
やる夫で学ぶ系の良さも両立しているのが魅力的なポイント。
本編描写に加えて本当に良く分かるラフィール様の出張解説コーナーがありがたい。
更に洗濯板に始まった現代知識による商品も作ったら勝手に売れていって終わりではなく、
肝心なその製品をどうやって量産し流通させるのか。
働き手を担う村長達や商人達に対しての調整・交渉ぶりもしっかりと描写されます。
問題を一つ一つ試行錯誤しながら知識チートで着実に解消する安心して読める作品なので、
DASH村のような村づくり物が好きな方や成り上がりが好きな方にお勧めです。
コメント
第三部やってくれないかなー
コメありです!
自分も何時までも求めたくなる良作でした。
これと知恵の悪魔が、やる夫系異世界転移作品の個人的好みの双璧
コメありです!やる夫スレは本当に様々な良作がありますよね。