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やる夫スレ

絶望的過ぎるポーランド独立は果たせるか「【R-18(G)】ポーランドを再興したかった【あんこ・安価・19世紀】」

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かつて、地域覇権国家として名を馳せた大国が、確かにあった。
贅の限りをつくした絢爛な甲冑を身につけ、巨大な羽飾りを背負い、長槍で武装した有翼重騎兵を揃え何もかもを叩き潰した軍事強国が。
今は亡き、その大国の名はポーランド。
大国であったらからこそ弱くなることを望まれ、
かつての大国は他の大国によって全てを貪り食われた。
国を失ったポーランドの民が、もう一度、自分達による、自分達の為の国を持ちたいという願いは
夢追う者の理想か、国を守れなかった弱者の我儘か。
だからこそ、彼らはもう一度戦う。夢を実現する為に、弱者などと言われないために。
私と貴方の自由の為に、貴方は戦わなければなりません。

全70話歴史系戦記長編完結作品。
19世紀ナポレオン戦争終結後のロシアの属国となったポーランドを舞台に、
一人の貧民士官が狂気の沙汰とまでと言われた無謀なポーランド独立闘争に巻き込まれていく。

乾いた笑いが思わず出てしまう歴史を変えるダイス結果の連続と、
その結果を活かした説得力のある描写によってあんこスレの魅力が良く分かる作品です。

キャラメイクの結果、「お人好しの冷笑家」として誕生したプリコネの騎士君が主人公。
鉱山の貧民から大資本家クロコダイルに拾われポーランド士官学校へ入学し、
特技である勘の良さと功名心に焦らない慎重さによって席次9位の好成績で卒業。
そして政治的に真っ白なその出自から宗主国ロシアコサック軍へ配属されると、
早速その初陣であんこの奇跡によって圧巻過ぎる戦果を叩き出す。
その後も露土戦争では常人では為し得ない奇策を次々に成功させて史実を塗り変え、
ロシア軍の中でも抜群の成績を引っ提げてポーランドに帰還。
そこから作者が世界史で一番好きと語る11月蜂起により大盛り上がりの結末が描写されます。

本作は先ずこの主人公騎士君のダイス強者っぷりが凄まじい作品で、
あんこの結果で驚愕し、作者のあんこ捌きによって説得力ある描写に惹きこまれていく。
ただの若き新米士官だった序盤から見事な騎兵将校となった騎士君の軌跡に夢中になれます。

そしてポーランド独立闘争を果たす史実ベースの作品となっているので、
当時の複雑な欧州情勢を始めとして何故無謀な民族運動を起こしたのかという動機と、
そして絶望的なポーランド独立の条件が良く学べる作者の深い知識が感じられる作品です。

印象的だったのはワラキア方面軍のあのトリオと最終幕11月蜂起の激動の展開で、
あんこスレらしい絶対に想像もつかない結果を楽しませてもらいました。
そんな歴史を学べてあんこでも楽しめる魅力的な作品なので是非一読してみて下さい。

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