突然モンハン世界に転移させられた自衛隊員たちによる決死の帰還劇を、
2012年から2022年の完結まで10年間連載し続けて見事完結し誰もが認める大作となった
戦国自衛隊×モンスターハンターP2Gの長編完結作品。
切欠がなくまだ読まれていない方はこのGWで是非一読してみて欲しい、
やる夫スレ作品でも非常に人気の高い全200話から成る一作です。
自衛隊の特別演習の最中、新城直衛三佐を指揮官とする特務小隊総勢二十一名は
モンスターたちが牙を剥く狩人たちの世界の雪山に突如転移されられる。
そして転移後にいきなりティガレックスに襲われ隊員1名は殉職。
混乱する自衛隊員達はティガレックスに小銃を撃ちこむも殆ど効き目はなく、
演習に持ち込めていた10式戦車で何とか撃退に成功。
雪山の日が暮れる前に洞窟に避難を試みるものの、
情報が勿論ないギアノスたちの待ち伏せに遭いまたしても隊員が殉職。
苦戦している所で現地ハンターに助けられるが密猟者ではないかと疑われて
下山出来なかった車両組と分断されポッケ村に連行されてしまう散々な始まり。
しかし何故「AH-1 コブラ」や「10式戦車」を始めとした特殊な編成に、
各科のエリートたちが集められた総勢21人の小隊が転移に巻き込まれてしまったのか。
それは過去に自衛隊員が戦国時代に送り込まれた転移の実例があり準備をしていたからで。
転移の事情を事前に知りえていた夜神月二尉により理由を明かされた隊員たちは、
転移から3日後に訪れる再びの転移現象で現代世界に帰還しようと奮闘していきます。
本作は突然モンハン世界に転移させられた自衛隊員たちの解像度が非常に高い作品で、
序盤隊員達が訳も分からないようなモンスターに襲われて次々に殉職していく中でも
現状を冷静に判断して行動に移し、その前には必ず報告し指示を仰いでから動く。
今立たされている現状が完全に不明のまま絶望的な窮地に追い込まれても、
民間人ではないプロフェッショナルとしての軍事作戦がご覧になれます。
しかしティガレックスに始めイヤンクック、フルフル、リオ夫婦にナルガクルガといった
モンスター達が途轍もなく強大に描かれているので
自衛隊員たちが近代兵器で無双するだけの話にはなっていないのが本作の大きな魅力。
ハンターではない現代人はギアノスの攻撃でさえ食らったら容赦なく殉職していくという
圧倒的な不利な身体の貧弱さでどう近代兵器で大型モンスターに立ち向かうのか。
この自衛隊員とモンスター達の納得感満載の本格的な戦闘描写をお楽しみください。
そして忘れてはいけないのがこの転移現象を事前に予測していた現代世界側の対応で
現代世界側にもモンスターたちが自衛隊員たちと入れ替わりで出現し
現代世界の民間人に事態を発覚させずにどうモンスターに対峙するのかが
防衛省を交えて本筋の転移者たちの帰還に向けた計画と共に動いていきます。
この「大量の武器弾薬はあるも事態を隠蔽しなければならない」現代世界側がどう対処し
一方で「補給は絶たれ演習で持ち込んだ兵器しかない中モンスターに挑む」自衛隊員たちの
両輪で二つの世界が大きく動いていくこの大作を是非一読してみて下さい。
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