黒井竜也はちょっと中二病気味な、ごく普通の高校生。だがある日突然異世界に転移してしまう。言葉も通じず何の力もない竜也はその世界で奴隷にさせられる。それでも何とか逃げ出したその先で、竜也は「悪魔」と呼ばれる一人の少女・ラズワルドと巡り会う。
少女の世話になり、言葉を覚え、知識を蓄え、生活の糧を得、上京し、人脈を広げ。竜也はその世界での居場所を少しずつ作っていく。だが、恐るべき狂信者の侵略の魔手が竜也達の住む大陸へと伸ばされようとしていた。敵は兵数百万を号する大軍勢。大豪商の令嬢カフラ、剣士サフィールといった仲間とともに、竜也は百万の侵略軍に対抗すべく立ち上がる--。
全64話83万字の書籍化済みのオリジナルファンタジー完結作品。
一人の異世界に転移した高校生が奴隷から身一つで成り上がって百万もの侵略軍を打破し、
黄金の帝国を樹立するに至った英雄譚が描かれます。
成り上がり・戦記描写を中心として内政・ヒロインの描写も詰まっている大作です。
高校の夏休みに海水浴を楽しんでいた所に竜巻に遭遇して
何とか海岸に上がると異世界に流れ落ちていた主人公黒井竜也。
現地官憲によって奴隷にされ脱走を図る道中で心が読める亜人少女を助けたことから
商人に異世界の知識に興味を持たれて使用人として拾われることに。
使用人の不安定な立場から先ずは助けた亜人少女と二人で生きていくために、
初期投資が小さく専門知識も不要な日本のサブカル知識を生かした脚本家として名声を得ると
大豪商に自分を売り旅芸人の戸籍を得てすっかりこの世界にも馴染んだ生活を続けていた。
しかしここで隣の大陸の教皇がこちらの大陸へ数十年をかけた侵攻準備をしていることが発覚。
平和過ぎて軍隊がなく今まで一度も侵攻がなかったことから一向に住民の誰も信じない現状に、
助けた少女の読心能力を使って敵国に潜入し実態が分からない侵攻の情報収集を開始すると
敵大陸の教皇が史実十字軍のような百万人を総動員する聖戦を発動し宣戦布告。
百万の兵を相手にこちらは寄せ集めの烏合の衆の現状で、
「一年でこの戦争を終わらせる」と宣言した主人公クロイの戦いが始まっていきます。
本作は先ず奴隷から始まった主人公の成り上がりが丁寧に描かれるのが魅力的で、
戦争遂行に必要な資金を誰も信じなかった侵攻による先物取引によって得たり、
権力維持に絶対不可欠な自前の武力を得た鉱山での一幕を始めとして
どうやって唯の異世界人が独裁官として戦争を任せられるまでに、
現地民の信頼を得るに至ったのかがしっかりと描かれています。
そして主人公が百万の兵に対抗すべく練り上げた戦略も納得できるものになっていて、
理解出来る敵側の描写との死闘による燃える戦争描写が繰り広げられ、
これしかないよねと納得しかない戦略の披露と現実的な遂行の過程が素敵です。
本作を少し読んで気に入られた方は、
途中で書籍版サンプルのキャラクターイラストを見てみて下さい。
ヒロイン達が可愛いので作品への解像度が上がること間違いないです。
そんな主人公の成り上がりと戦争描写そして恋愛全てが楽しめるので是非一読をお勧めです。
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— 夜市よい (@yoichi_041) July 25, 2023
日本から異世界に転移した高校生が
奴隷から身一つで成り上がり百万もの侵略軍を打破し、
黄金の帝国を樹立するに至った英雄譚が描かれます
異世界人だからこそ出来る100万の侵攻軍撃退戦略
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