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一子爵に銀河帝国の運命は変えられるのか「子爵令嬢一代記」

『銀河英雄伝説Die NeueThese 星乱』 ©田中芳樹松竹・Production I.G

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作品紹介

2013年から実に9年ぶりに更新が再開されていました。

諸注意
傾向:帝国、若返りトリップ
恋愛成分は欠乏気味
主人公が主役=原作主要キャラでも脇キャラ扱いあり得ます
序盤は壮大な前振り、原作キャラ登場はわずか
オリジナルキャラ乱舞
オリキャラも死亡の可能性あり
原作キャラが主人公にいつも優しいとは限りません
原作ネタバレあります。未読の方はご注意下さい

原作銀河英雄伝説の長編現行作品。
現実から銀河帝国の子爵家の一人娘に成り代わった主人公。
序盤第一章では突然の成り代わりに戸惑いつつ子爵令嬢として適応していく様子が描かれ、
連載中の第二章では原作キャラクターとぶつかりながら銀河帝国で頭角を現していきます。

本作はよく見かけるオリジナル系令嬢ものの恋愛に生きていく作品と違い、
政治や経済・軍事等の実学が好きな主人公が銀英伝の世界で生き抜いていく過程が
「一代記」のタイトル通り魅力的に描かれている作品です。

また、原作では敗北者側である貴族側に生まれたため10年のタイムリミットが存在し、
貴族側でいくら順調に成り上がっても最終的には原作主人公に叩き潰されてしまう緊張感
単純な内政成り上がりの作品には出せない独特の面白さ。

事件に巻き込まれて人を助けたらその人は原作主人公に完全に敵対する人で、
でも領民の為に領地を発展するにはその人とは敵対出来なくて。
そして領地を発展させると原作主人公によって転覆されられる国家元首には目を掛けられ、
しかしその裏で原作主人公と名を隠し交流していくという二律背反の苦しみが良く分かります。

この矛盾した方向を向かざるを得ない本作がどのような結末を迎えるのか本当に楽しみ。

そんな本作の面白さは今回も読み返していましたが、
10年前に印象に残った場面をまだ覚えていたという、10年の間記憶に残る程面白いです。
(第二章冒頭のカール・ブラッケが主人公に怒り心頭だったシーン)

少なくとも銀英伝ファンには全員にお勧めできる作品で、
銀英伝をご存じない方は原作キャラの背景を検索しながらになりますが是非読んでみてほしい。
現行作品として紹介が出来て嬉しいです。

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