俺の親父はグラングニエル族と呼ばれる”月の魔物”の長で、自分勝手で馬鹿でアホで愚図で間抜けで狡猾でそして魔王だった。対する俺は超天才で美形で強運で強くて純粋で優しくて何より主人公でついでに魔王の第百二十三子。そんなすばらしい俺の栄光の物語(多少語弊あり)
このタイトルであの唯一無二な主人公を思い出される方も多いのではないでしょうか。
そんな小説家になろうで読み始めた最初の印象深い作品となり、
超絶最強な元魔王様が転生した人間界で送る勘違いコメディ作品です。
作者は紹介記事を投稿したアビス・コーリングや「嘆きの亡霊は引退したい」の槻影氏。
しかし本作は54話でエター。
主人子は魔王はモテると聞いて魔王になった第六代魔王継承者『死弩・グラングニエル』。
しかし魔王就任後直ぐに人型の女性が好みな主人公は、
魔族には異形ばかりで碌な人型の女性はいないのだと騙された事に気付く。
不細工で不潔で馬鹿ばかりな魔物を統べる魔王になんてなりたくなかったが、
一旦なってしまった以上は自分の国を盗人に取られるのも癪に障るので魔王業に励むことに。
魔王として一生を過ごさなければいけなくなってしまったが、
外部から人族の女性を攫おうにも魔王領の環境は人間が生きるのには過酷な土地で。
転生しようにも自殺は不可で悩んでいた所に勇者が魔王城にやってくることを知る。
その勇者に自分に殺してもらい人間に転生を図ろうと考えた主人公は、
聖剣クラスの剣を与え、道は進みやすいように事前に舗装し、息抜きできる町を作ったりと
万全の準備を整えての勇者歓迎の構え。
しかし、遂にやってきた勇者一行全員のレベルを合わせても主人公以下で、
もう自分を殺し得る存在をいないと知り絶望した主人公は他殺のように見せかけて自殺。
そこから三千年後の世界の貴族の美男子へと転生が成功し、
待ちに待った元魔王として可愛い子を探し愛想を振りまいていく人間の生が幕を開けます。
本作はこの主人公のキャラクターの立ちっぷりが素敵な作品となっていて、
美形で無敵で苦労もしないと正にストレスフリーで最強な主人公ですが
肝心の思考の方向性が予想外過ぎるのが他のなろう系作品とは一線を画します。
例えば以下のような命令を魔王として下せば、
「おい、てめえら汚すぎなんだよ。ちったあ掃除しろ。毎日一回は風呂入って身体洗え。俺の目の前にそのふざけた面さらすんじゃねえ。逆らったら死刑」
「お前ら弱すぎ。魔物同士互いに戦争しろ。本気で殺し合い武勲を立てろ。各々の部族のうち、一番首を取れなかった奴の部族を皆殺しにするからがんばれよ」
その自分の余りの高度な衛生概念に各部族の長達にかつてない感銘を及ぼして泣き始めたり、
あまりの命令の素晴らしさに兵士が乱心して突然青龍刀で襲い掛かってきたりという方向に
解釈する主人公のポジティブさのギャップがたまりません。
54話で完全に更新停止となっていますが、
序盤に描写されなかった魔族側の主人公に対するエピソードと
引きこもり勇者の話が最後の終盤に読めて良かったです。
勘違い系の作品が好きで単純ななろう系の作品に飽きた方にお勧めなので
更新は望めませんが気になった方は是非一読してみてください。
記事紹介ツイート(作品が面白かったらいいねをお願いします!)
紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) April 25, 2023
魔界に自分好みな人型女性は存在しないことに
気付いてしまった魔王様。
勇者に敢えて殺され人間界に転生を果たし
可愛い子を探しますがどことなくズレていて。
超絶最強な元魔王様が人間界で送る勘違いコメディ
「黒紫色の理想」https://t.co/u0PqidMl9p #narouN4991F
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