・・・決して特別なことなんかじゃない
これからの物語は、生まれながらの英雄が戦うお話じゃない
特別な才能を持った、勇者が戦うお話でもない
類稀な頭脳を持った賢者のお話でもない
飛びぬけた腕力を持った、戦士のお話でもない
ただ偶然、騎士になっている青年の、お話
騎士、ニューソクデ・やる夫のお話
どこにでもあるようで、どこにもない
ニューソクデ・やる夫だけの物語・・・
全20話のオリジナルファンタジー完結作品。
とある平凡な騎士やる夫が大国の陰謀に巻き込まれ命懸けで戦っていく。
そんな王道的なストーリーを圧倒的な描写力と劇的な展開を交え描き上げた大作です。
主人公は最強の軍事国家ネトワロス国の騎士ニューソクデ・やる夫。
捨て子であった彼は城下の貧民街で元騎士団長古泉一樹に拾われ騎士となったが、
その古泉団長は三年前に魔物討伐に赴き戦死。
「素質もあるし、物覚えは良い」とは騎士団員から言われるものの、
古泉団長が亡くなりやる気が全く無くなってしまったやる夫に遂に初任務が下される。
それは隣国ミスティアの姫君をお国までお送りする護衛(という名の荷物持ち)という任務。
とても可愛らしい姫・翠星石の護衛として鼻の下を伸ばして意気揚々と任務に出発するも、
しかし裏では現騎士団長夜神月を初め騎士団上層部は何やら策謀を回している様子で。
護衛の道中、最短距離で向かう唯一の橋が壊されていたり、
謎の襲撃者が相次いで襲ってきたりと不穏なやる夫の不穏な護衛の旅が幕を開け、
そしてその中で戦死した古泉団長の真相等散りばめられた様々な謎が明かされていきます。
本作は最初はそんな姫を護衛しながら数々の伏線が敷かれていく序盤となりますが、
終盤で熱くなれる怒涛の伏線回収が本作の見どころ。
不穏な影は感じつつもどこか平和だった序盤からは考えられないぐらいの
世界を舞台とした壮大なスケールの物語がシリアスも含んで展開されます。
そんな王道的なストーリーに翠星石や主人公やる夫、そして謎を残し死亡した古泉一樹等
各キャラクターの魅力が本当に引き出されていると感じる作品で、
しっかり見せ場では衝撃的で魅せられる展開が随所にある素敵な物語となっています。
序盤で物足りないと感じられた方も納得の終盤の盛り上がりにご期待下さい。
20話で完結と読みやすくまとめられた中に、
燃えて泣ける揺さぶられる描写があって見事なエンディングを迎えた大作となり
是非まだ読まれていない方は一読してみてください。
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