「私はね、この世界に自由資本主義市場経済圏を作る。
その商業経済圏に君臨する大財閥を作る。この世界を動かすような私だけの帝国を作る」
今回の年末年始はずっと本作を読み返すことに夢中になっていました。
現在連載中で200万字超の戦争と内政そして恋愛描写が極めて高いレベルで綴られる大作です。
作品の舞台は産業革命が芽吹く西欧近代初期に似たファンタジー世界。
その世界の母親が王様の妹で超金持ちという大公令嬢に転生したのが本作主人公ヴィルミーナ。
超富裕層に生まれさて安泰という訳では決してなく、
このまま国内に留まれば地球のフランス革命の歴史よろしく断頭台送り待ったなしで、
植民地である外洋領土に逃げることも治安と公衆衛生環境が兎に角酷いので不可。
さらに現代日本の中産階級の方がずっと快適な暮らしという格差に我慢が出来ない主人公が、
前世でタフで狡猾なビジネスウーマンの実利主義者として大手商社内の権力闘争に勝利してきた
その知識・経験を元にファンタジー世界で経済戦争を仕掛け彼女の覇道を貫いていきます。
本作は先ず前世知識を生かしたお菓子作りや新型馬車の開発で土台を築き上げたかと思った
序盤早々に経済制裁の仕手戦を繰り広げた所が先ず非常に惹きつけられて面白い。
史実ロスチャイルド家の伝説、ワーテルローでの空売りや先物でのインサイダー等をなぞらえ、
浅学の身でも分かりやすく全力で経済戦争を仕掛けていく主人公にハラハラが止まらない。
第一部の時点で、自国の国債保有率が38%(日銀かな?)に達するまでに登り詰めるという
彼女の第一部の伝説を先ず御覧になってみてください。
そして経済戦争以外にも国と国との本格的な戦争描写についてもこの作品は非常に優れていて、
制空権の完全掌握から補給中継所の爆撃、そして自国の焦土作戦を始め敵策源地の破壊と
架空戦記を期待して読まれる方にも満足できる内容が描かれます。
ラインハルトやオーベルシュタイン等どこかで聞いた名前も違う人物として出てきますが、
この名前を知っている方も特におすすめです。
さらに上記に加えての盟友レーヴレヒトと繰り広げられる恋愛描写があるのが素晴らしい所。
第一部での劇的な再会は本作の代表的な見どころなので是非先ずそこまで見てみてほしい。
第二部・第三部ではさらに熱くなる彼との幸せ生活が描かれます。
主人公も流石だがそんな主人公に付き合って打ち負けないレーヴ君本当に凄い。
そんな様々なジャンルで高いレベルの展開が楽しめるので
200万字超と長い作品ですが、是非栞機能を活用しながら読み進めてほしい素敵な一作です。
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紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) January 4, 2023
今年の年末年始はずっと本作を読み返していました。
戦争と経済戦そして恋愛描写までもが
極めて高いレベルで綴られる超大作です。
ファンタジー近代世界で轟かせる経済戦争
「転生令嬢ヴィルミーナの場合」
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