窃盗で捕まった二十二歳の田川達也は、警官のミスで偶然逃げ出すことに成功する。小柄で華奢な達也は、逃走中に忍び込んだ家でたまたま試した女装姿に自信を持ち、女の子になって逃走することにした。
その後、観光客を装ってお洒落なホテルを泊まり歩いたり、学生証を偽造して女子高生になってファミレスでアルバイトしたり、はたまた大学入試に合格して女子大生になったりと、女の子としての生活を満喫しながら、警察の追跡の裏をかいたハチャメチャな逃走劇を繰り広げる。
今回は発想の勝利といっても過言ではない完結作品を紹介したい。
他に書籍化作品の「マネーロンダリング~二億円の行方」や本作の続編「名探偵はオトコノコ!」を連載されている青い鯖氏の作品。
上記記載のあらすじを読んでいない方はまず一読してほしいが、
指名手配犯になってしまった主人公が誰もが騙されるような上手すぎる女装をすることによって
警察の捜査をかいくぐり続けていき、逃走劇の最後はどんな結末に終わるのか?という作品。
本作の魅力は決して甘くない警察の捜査を描きながらも、
それを上回るとんでもないレベルの切り抜け方がどんどん繰り出されていく話の展開だろう。
ネタバレ防止にあらすじ以上の記載は出来ないがここまでやるか!?という感想を絶対に抱く筈
こういう出し抜いていく形式の作品は、敵役を下げ主人公を相対的に上げるのが簡単だが、
本作で出し抜かれる側の警察は思わずこれは騙されるわな…と同情するほどで、
ベクトルこそ違い過ぎるがデスノート並のハイレベルな戦いをなろう作品で読むことが出来る。
さらに単純な逃走劇を描くのみならず、
犯人の主人公がハチャメチャ逃走劇を通して得たものも大事に描写されていて
完結まで読んだ読了感は洋画のショーシャンクの空にに匹敵しうる程。
デスノートやショーシャンクの空に等名作を例に挙げているが、
決して損はさせないレベルのなろう作品となっているので是非一読してみてほしい。
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