・・・ヘイン・フォン・ブジン伯・・・電子の小物はレベル1・・・・・
銀英伝パロディの全27話20万文字長編完結作品。
ほぼ銀英伝なキャラクター達がデスゲームなVRMMOにプレイヤーとして参加し、
原作要素も織り交ぜつつ大魔王レンネンカンプ討伐を目指すオリジナリティ溢れる作品です。
作者前作の「銀凡伝」を知っていると更に楽しめます。
現実世界の1日を仮想世界での100日として楽しめるゲーム史に残るVRMMOにして
代表取締役の名を記したゲーム「レンネンカンプ」が近未来の日本で発売された。
本作の主人公へインもゲーム内で勉強することで迫る後期試験も楽々乗り切れると、
2000万人以上のプレイヤーの1人としてこの夢のゲームを購入し始まりの地に降り立つことに。
しかしこのゲームは実はバグでログアウトが出来ない欠陥品だったことが発覚。
開発会社は匙を投げ100倍以上の時間差があるために現実世界からの助けも望めず、
電源が切られると死亡する恐怖に怯えながら自らの力でログアウトの方法を模索する為に
ゲーム内で出会ったファーレンハイト少女やオーベルシュタイン少女とPTを組んで
GMであり大魔王であり諸悪の根源なレンネンカンプに挑んでいきます。
本作はそんな大魔王に挑む剣と魔法のファンタジーなRPGパートに加えて、
アスターテ会戦に始まるVRMMOで原作再現された戦争パートの2本立てとなっていて、
銀英伝らしさを随所に感じさせて且つ全く新しい展開を見せてくれるのが特徴的です。
遊びのつもりで参加した筈のゲームの戦争に強制的に徴兵で参加させられ、
デスゲームなので戦争で殺されたら何百万人単位で復活できない。
そんな無駄にリアルなゲームシステムによって苦しむプレイヤー達には
原作と違いVRMMOなのでより親近感が湧いてくると共に、
クソゲーオンラインの名に相応しいクソゲーっぷりが味わえます。
そして本筋のRPGパートも良く出来ていて、
銀英伝キャラ達のらしさを存分に出しつつもクソゲーの前では最早ここまでか…
と思った後に訪れた衝撃的なラストは前作銀凡伝のラストを思い出させてくれました。
GM特権で桁が2桁違うレベルなラスボス・レンネンカンプ相手にどう戦うのか。
その後の本作らしい終わり方が描かれた最終盤が一番お気に入りです。
終始軽い文体で読みやすいので一風変わった銀英伝を読みたい方は是非一読してみて下さい。
コメント
銀英伝原作未読どころか何も知らないんですけどついていけますか…?
コメありです!
本作はほぼオリジナル作品なのでオリジナルクソゲーものとして読めばついてはいけます。
原作未読だとキャラクターに愛着が湧くか湧かないが勝負ですね。