「何やってんのよ……っ! ねぇ、あんた……っ!!」
遠くから、誰かの叫び声が聞こえて来た。
聞き覚えのある声だった。
いつも聞いている声だった。
そもそも、そんなに声との距離は離れていない。
けれど俺にとっては、まるで現実ではない遠い世界からの声のように聞こえていた。
1話完結ですが6万字作品なので長編扱いのアイマス2次創作。
題名通りに自分が殺してしまった死体を冬優子と一緒に埋めたPに訪れるその後の、
壊れていく日常が臨場感たっぷりに紡がれる作品です。
撮影が終わったストレイライトを労おうと彼女たちの楽屋に来たPは、
その部屋に一人いた芸能界の大物から枕営業を受け入れなければ干すと言われ、
それを断って揉み合いになった結果その人物を殺してしまう。
そんな現実を信じられず憔悴するPの前に現れたのが何も知らない黛冬優子で、
事情を全て知った彼女はPのことも自分の夢も諦めたくないために、
このまま愛依とあさひが戻って来る前にこの死体を隠し証拠を隠滅することを提案する。
Pもこれまで全てを賭してきた283プロがこれがバレれば破滅してしまう為に
冬優子と一緒に山に死体を埋めに行くことに。
無事に死体を山に埋めて日常に戻ろうとしたPは最早まともな精神状態になく、
いつ警察が自分を逮捕しにくるのかと幻聴に幻覚・吐き気や頭痛に苛まれる日々を送っていた。
冬優子も持ち前の演技力でPに協力しますが彼女も疲れている様子が滲み出ている様子で。
このままで良いのかと悩むPと、冬優子もこの日常をどんな思いで送るのか。
そして様子がおかしいPに勘付いたアイドル達は
行方不明になった人物をPが殺したのではないかと疑い始めるものの、
信頼するPが人を殺して更にそれを隠匿するような人だとはとても信じられない。
悩むアイドル達と今までの日々や冬優子の協力を無駄には出来ないと苦しむプロデューサー。
破綻してしまったこの日常の結末がより衝撃的な終局でもって完成されます。
本作は先ず主人公のPの心理描写が真に迫っている作品で、
283プロを守るため自首を選ばなかった筈なのに壊れていく283プロを目前としてしまう。
そうして雁字搦めになってしまった主人公の苦しみがかなり胸に来る。
そして忘れてはならないのがやはりもう一人の主人公黛冬優子で、
中盤にかけてずっと描写されてきた彼女のアイドルを目指す願いとPへの愛情の強さの結果、
訪れた結末には読了した後も震えてきます。
冬優子がいなくてはとても読み進められませんでしたが最後の冬優子で心をやられる。
そんなシリアス展開が苦にならない方なら是非読んでほしい大作です。
また数多くの冬優子作品を投稿されている作者様で、
冬優子ファンの方は本作とは打って変わったコメディ調の以下短編作品もお勧めです。
記事紹介ツイート(作品が面白かったらいいねをお願いします!)
紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) October 4, 2023
題名通りに自分が殺してしまった死体を
冬優子と一緒に埋めたPに訪れるその後の、
壊れていく日常が臨場感たっぷりに紡がれる大作です。
完全犯罪を遂げたPと冬優子による衝撃的過ぎる後日談
「シャニPが冬優子と死体を埋める話」 https://t.co/5QGfB1MHID
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