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花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ「時には昔の話を」

時には昔の話を

この杯を受けてくれ
どうぞなみなみ注がしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ
さよならだけが人生だ

井伏鱒二訳 勧酒

東方原作全5話15万字長編完結作品。
霊夢が突然1万2千年後の幻想郷に転移しそれを待ち続けていた嘗ての仲間達と出会い、
そして始まった1日限りの再会と別れの大宴会を笑いあり涙ありに描き出した大作です。

起きてみたら季節が変わった人間の里の近くにいた霊夢。
出会った子供に話しかけてみると偽物の博麗の巫女呼ばわりされて、
困惑しつつ紫の家に行くとここは1万2千年後の幻想郷だったことが発覚する。
そんなに経っているのに一向に変わってない幻想郷に怪訝に思い八雲橙に聞いてみれば、
「自分が死んだあともずっと同じ景色のままとどめておいてほしい」と
死ぬ直前の霊夢自身が告げそれをずっと守っているとのことで。

そして次に赴いた博麗神社では既に死んでいる筈の魔理沙に会い、
未来でも自分の遺言が守られて未だ慕われていることが信じられない霊夢。
そんな彼女に魔理沙は知り合いを集めて宴会を開くことを宣言し、
この宴会が終わった後に過去に戻った霊夢は彼女らしくなく大泣きしていたと言い放つ。
そうして何故霊夢は謎の遺言を残して未だ尚皆に慕われ続けているのか。
更には霊夢が既に幻想郷の大偉業を成し遂げていたという、
それらの謎が全て分かる一万二千年越しの大宴会が開幕します。

本作は生きる時間軸が異なる妖怪と人間の価値観の違いが克明に描写される
もの寂しさ無しでは語れない作品となっていて、
1万2千年も自分のことを引きずらないで欲しい、
そんなの重いじゃない今を楽しめばよいのにと語る霊夢に対して、
別れの辛さ以上に出会う喜びが輝いていて、
辛いから過去の思い出を捨て去るのは余りにつまらないので絶対に忘れないと語る妹紅。

自分は過去は振り返らない霊夢派ですが、
相反する人間と不老不死の2人の考え方がよく現れていました。

そして東方の根幹と言っても良いスペルカードルールが、
ただのお遊びではなく一万二千年も続いた重要性がよく分かる作者の解釈が素晴らしく、
東方の奥深さがより深く分かる作品となっているので是非一読してみて下さい。
「友符『ディアマイフレンド』」これ以上なく感動的なスペルカードが貴方を待ち受けます。

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コメント

  1. 匿名 より:

    クーリエなつかしいな、まさかまた目にするとは
    ランキング機能があればもっと読み漁ったんだけどな

    • 夜市よい より:

      コメありです!
      まだ紹介したい作品はあるので少しずつ投稿していきますが、
      クーリエを見る度に何時までも古さを感じさせない東方の息の長さには感じ入ります。
      今はランキング機能は一般的な投稿サイトに必要不可欠になりましたね。

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