第1部65話完結。第2部35話でエターの長編オリジナル野球作品。
弱小公立校の監督を務めるやらない夫によって、
白熱する試合描写と素晴らしいチーム力を表現した正に王道の高校野球が描かれます。
今でもやる夫スレでの高校野球作品には先ず本作が筆頭に上がってくる名作です。
高校時代はエースで4番として夏の甲子園ベスト8へ導き、
大学卒業後は教師として母校に戻ってきたやらない夫が監督をしている、
県立新速高校野球部は3年連続夏初戦敗退で完全な弱小チームと化していた。
3年生が引退すると部員は総勢11名となり嘗て甲子園に行ったチームの面影は数年で消失。
エースの2年生キル夫は肘の故障で長い回を投げられず、
頼みの綱のやる夫は1年にして130km後半の直球に鋭く曲がるカーブを持っているものの
挨拶代わりの四球は当たり前のノーコンに加えてメンタルの弱さで使い物にならない。
そんな課題点ばかりの新チームでのリスタートを図りますが、
秋季大会で夏の準優勝校にぶち当たって甲子園への高すぎる壁を知る。
果たしてやらない夫はこの世代のチームを甲子園に導くことが出来るのか。
一冬を超え古豪復活を世に知らしめた圧巻の夏の県大会が描かれていきます。
本作はタイトルの2名だけではなく最早1チーム全体が主人公といっても過言ではなく、
控えのメンバーを含めたどのキャラクターにもスポットライトが当たっているのが魅力。
やらない夫の教師をしながら監督をする高校教師生活の辛さが描かれると共に、
スタメンの面々にもそれぞれの考えがある中監督として非情の決断を下さなければならない。
公立校として楽しい野球を目指すのかそれとも飽くまで勝利を追求するのか。
悩む監督業のもどかしさが序盤中盤にかけて描かれます。
そして悩み続けて成長した監督の描いたチームが遂に形となった中盤以降の夏の県大会は
1試合目から目が離せない激戦となって各選手の意地がぶつかり合う白熱した試合となり、
本当に高校野球作品らしい爽やかな熱血さを魅せてくれました。
残念ながら第2部でエターとなってしまいましたが、
第2部21話ではエースの貫禄を見せつける素晴らしいやる夫の成長ぶりが披露され
高校野球の1年を描いた第1部だけでも素晴らしい作品なので是非一読してみて下さい。
愚痴っても、今のウチに代わりはいない
序盤からは想像もできないエースやる夫の風格
なら少しでも勝つ確率を上げるよう、利用するべきだろ
これは自分の為にやっているんだお
なら少しくらい感情抑える程度、どうって事無いお
お前だって、野球でのし上がる野望はあるんだろ?
だったらこの試合、絶対に勝ってやろうぜ
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