全10話オリジナル中編完結作品。
孤独に2次元の世界に生きていた28歳のやる夫が一つの恋から成長していく、
心が洗われる恋愛模様がこの短い中編の中に纏まっている何度でも読みたい名作です。
読者と等身大に描かれる主人公やる夫と最高に可愛らしい佐々木がたまりません。
可愛いし文句も言わない二次嫁に没頭していたやる夫はある日仕事をクビになり無職に。
そして心配した親友やらない夫に紹介された現場仕事に励んでいた帰り道に、
不良にカツアゲにあってボコボコにされるがそこへ颯爽と現れた佐々木に助けられる。
その後に佐々木が劇団に所属する舞台女優であることを知ったやる夫は下心から
彼女が出演する公演を見に行った帰りに今度は佐々木が不良に絡まれている場面を目撃する。
そこでやる夫は佐々木を助ける為に勇気を振り絞って不良に立ち向かい、
その助け助けられた偶然から接する世界が異なってきた二人の関係が始まっていきます。
しかし格が違う演技を披露し人を惹きつけてやまない佐々木はある悩みを抱えていて。
その真相が判明した時に究極の二択がやる夫に突き付けられる。
果たして身分不相応を痛感しているやる夫の恋の行方は。そして佐々木の本心とは。
ドキドキの中盤から納得の結末が展開されます。
本作はクズではないがダメダメなやる夫の成長が10話の中に詰め込まれていて、
不細工で28歳の高卒と自己卑下が止まらないやる夫が、
恋をしたことで人に気に入られようと真剣に努力していく。
一つの出会いによって人は変われるということが良く分かる作品です。
更にヒロインとなる佐々木の可愛さは本当に素晴らしく、
ミステリアスな彼女の魅力が表現しきれています。
ひたむきに頑張るやる夫と佐々木の応援したくなる恋に読了後もトキメキがとまりません。
そして佐々木に惹かれると共に変わっていく二次嫁の演出は本当に上手い。
やる夫スレの始祖「刺身の上にタンポポ」からまさかこのような作品が生まれるとは。
自分は本作を読むといつもおでんが食べたくなってしょうがないので今日はおでんにします。
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