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ハーメルン

ゲーム知識を活用しても決して勝てないポケモンリーグ。壮絶な挫折の果ての驚きの叙述トリック「▶つづきからはじめる」

▶つづきからはじめる - ハーメルン
それとも……『さいしょから』と言ったほうが良いのだろうか? 分からないが、けれどどちらでも良いさ。 語るべき物語は一つなのだから。 ちっぽけな自分が分不相応な物…

それとも……『さいしょから』と言ったほうが良いのだろうか?
分からないが、けれどどちらでも良いさ。
語るべき物語は一つなのだから。

ちっぽけな自分が分不相応な物を望んだ、それだけのことであり。

諦めようとして、諦めきれなかった自分の無様を描いた。

結局、それだけの話なのだから。

本編4話・後日談7話完結の7万文字長編ポケモン作品。
挫折から這い上がって伝説レッドに立ち向かう王道の良さに加え、
作者後書きまで読者の誰もが気付かなかった高度な叙述トリックの双方が味わえます

現実世界で事故死してポケモンの世界に転生した主人公。
早速ピチューをゲットして前世のゲーム知識によって強化を図っていき、
チャンピオンワタルも所詮やっていることはただの力押しで自分でも十分勝てると踏んで
ライチュウ、ダグトリオ、ヘルガー、ギャラドス、カイリュー、ハッサムという
洗練されたパーティを組んでポケモンリーグに乗り込むことに。

しかし結果は最初の四天王であるカンナすら突破出来ない惨敗を喫し、
レベルが足りないのだと戦い続けて限界点のレベル100となって挑んでも完敗。
タイプ相性で有利を取り、圧倒的なレベル差の暴力に加えてゲーム知識を以てしても勝てない。
挫折した主人公は地元トキワシティに逃げ帰って訪れたトキワの森で、
「レッド」と名乗る少女に出会い弟子としたことにより更に地獄へと突き落ちていきます。

本作はそんな主人公と原作主人公の間の才能をテーマにした一作で、
何故主人公はこれほどまでにポケモンを鍛え戦術を練っても四天王に勝てないのか。
しっかりと納得できる理由が後半に明かされます。
そして本作で一番好きなのは本編完結後のレッド視点の「赤」と本編後日談の「後」で、
熱さが燃え滾っているそのままでも綺麗なストーリー構成のこの4話の後に加えられた
後日談の話の余韻が本当にたまりません。

そしてその余韻を十分に堪能して味わった最後の作者後書き一行に記載されていた
本作最大の謎が発覚し飛び上がったあの瞬間の落差を是非味わってほしい。
読み返しても納得せざるを得ない巧みに織り込まれた作者の技には感服するばかりです。

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