島に漂流した五人の男女。
戸惑いながらもそれぞれの生き方を選んでいく。誰かと行動する者、誰かに頼ろうとする者。単独で生きようとする者。
男と女でありその本能と良心、或いは思惑がありながらも交差し、衝突していく。
東南アジア圏の諸島が舞台となる現代小説となります。官能的な表現が時折、入りますが全体としては濃度低めです。残酷な描写もありますので、苦手な方はお控えください。
今は無き個人サイト天から急降下の恋姫2次作品が懐かしすぎる、
七色春日さんの初めての書籍化作品。(アマゾンリンク)
削除作品なので最早語れないですがあの一刀君は良かったとだけは記載したい。
さて本作は本編25話+2話の長編オリジナル完結作。
ノクターンノベルズの作品なのでR-18ですが、
R-18メインの展開ではなく本格的なサスペンス劇場が楽しめます。
高校の卒業旅行で乗った船が沈没し、主人公ヒロトが漂流したのはとある密林の無人島。
同じく無人島に辿り着いた4人の男女と過酷で異常なサバイバル生活が幕を開ける。
果たして誰がどうやって脱出出来るのか。
最初はオレオレ系の友人ジョウの後ろを付いていくだけの軟弱な主人公かと思っていると、
豹変と言っても過言ではない変貌を遂げる主人公が他にないサバイバル作品となっている。
女性三人組にハブられて無人島生活大変だな〜と思っていた序盤が本当に懐かしくて恋しい。
相棒となるヒロインの美菜ちゃんも最初は謎多き女の面を見せていくが、
中盤から後半に向けて尋常じゃないぐらいにキャラが立ちまくっていて必見です。
そして男女5人の無人島漂着前の過去話の挿入タイミングが絶妙なのも
本作の作者の技量が分かる素晴らしい点。
緊迫する無人島のサスペンスにちょっと飽きてきたなというタイミングで、
それぞれのキャラクターの深掘りする背景が挟まれ一休みかと思ったら、
実はさらに緊迫する裏話が混ぜられていくこの作品の構成は逸品です。
現実適応型の異常者だらけのサバイバルの果てにある驚きの展開を是非ご覧ください。
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