
全98話のオリジナル安価スレ長編完結作品。
一年後に敵国の侵攻で陥落する都市に訪れた主人公を行動安価で操作し、
各勢力を渡り歩いていきますが滅びに向かう中でどんどん国内の状況が悪くなっていく。
歴史を変えたい読者に目の前の日常を謳歌したい読者達が安価でぶつかり合いながらも、
作者の見事な纏めによって自由極まる安価スレで見応えのある終局が生まれた大作です。
キャラメイクで教養と政治の能力が高い理性的な聖人に決定し
行き倒れていた所を拾われた宰相トリューニヒトのコネで学院講師となった主人公は、
このままでは一年後に滅びる侵攻を前にして主戦派か和平派に勢力が分断されている都市で
先ず各勢力のキャラクターと出会いこの都市に馴染んでいく序盤を送っていた。
その序盤を終えると何を為したいのか目標をシステム的に決めず安価に一貫性がない為に、
美少女と遊ぶ一方で主戦派と和平派双方と交流し泥沼に引きずり込まれるのがこの主人公。
出会う人には巧みな政治判定で重要な話を聞き出しつつその弁論術で名著を出していく一方で、
学院の論客として発行される新聞では全ての勢力に危機感が無いと喧嘩を売っていく。
唯の傍観者だった筈が気づけば暗殺の危機が迫っていた主人公が過ごした1年間が描かれます。

本作の特徴はこの侵攻してくる敵国の将軍DIOの主人公評に詰まっていて、
都市を救う為の行動を起こすにもそもそも救うのかどうかから大目標が共有されていない為に
安価の事前準備は出来なかった結果当事者達をよそにして主人公一人で突っ走る。
重要安価以外は多数決安価にならない為に読者達の思惑自体も外れまくる中で、
悪化した局面においてもそれでも何とか軟着陸させようとする安価の戦いっぷりが見所です。
特にそれまでの情勢に流されるだけから情勢を動かす側となった58話がターニングポイントで、
これまでの刺激的な行動の結果取れる選択肢が一つ一つ減っていく中でやりきりました。
そんな安価スレならではの魅力の他に本作は登場する各キャラクターが人情味溢れていて、
敵役すらも覚悟や信念を持っている描写が為された上で死んでほしくないキャラが死んでいく。
初音ミク・司波深雪・メルトリリス・ユウキの各ヒロイン達も非常に可愛らしさを感じる
内心描写があり都市と一緒には死なせたくない気持ちにさせてくれます。
他にも只管に合理的なアンゼロットさんや見事な中立の信念に生きるケイネス等に
死を厭わない蒼星石と各キャラクターの生き様を感じる印象的なシーンも数多く、
安価スレらしく予想が全くつかない中身が濃い展開が楽しめるので是非一読してみて下さい。
記事紹介ツイート
紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) July 11, 2025
一年後に滅びる歴史を変えたい読者に、
目の前の日常を謳歌したい読者達が
主人公の行動安価でぶつかり合っていく。
そんな自由極まる安価スレで作者の見事な纏めによって
見応えのある終局が生まれた大作です。
「あなたは滅びを見るようです」https://t.co/DirBnDak7O
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