目次 ダディ・クールは究極のセットアッパーなようです
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「やらない夫は代打の神様なようです」「やる夫は至高の三塁手なようです」等
野球作品を手掛けられている「◆SEEpWcBhK.」氏の中編完結作品。
「究極のセットアッパー」の名に相応しい、プロフェッショナルな男の一年を描きます。
絶賛暗黒中の球団バビロンズが次期監督としてチームの未来を託したのは、
生え抜きで日米通算3563安打を誇る超レジェンドの美筆やらない夫。
チームの全権を握ったやらない夫は早速首位打者・打点王の不動の4番をトレードで放出し
断固たる血の入れ替えを実行。ファンからの抗議電話が鳴りやまない自体に。
そんな批判もどこ吹く風のやらない夫が次に獲得に動いたのが、
中継ぎ一筋でサイ・ヤング賞獲得のMLB史上最高とも評されるリリーバー、ダディ・クール。
昨シーズン自身が起こした暴力事件によって即刻解雇されていたが、
やらない夫のMLB選手時代の盟友としての信頼関係によって補強に成功。
「流石は島国の弱小チームだな!」「呆れて物が言えないよ!」と大言壮語する彼によって
暗黒球団バビロンズが変革されていく様が作品全体を通して描かれていく。
本作は同じく名将と一投手が中心の漫画「アウトコース」のオマージュ作品となっているが、
先ず変革を巻き起こす主人公ダディ・クールの圧倒的な実力に惹かれるが、
こんな傲慢不遜の投手でも唯一信頼するやらない夫との裏話が遂に明かされる
最終話「真髄」の描写が良く、ただの最強投手という訳ではない背景の深みが出せていました。
出る杭が打たれないような大人な感じの主人公が多い中、
周りとの協調を省みない癖が強すぎるこのダディが新鮮でとても印象深い作品です。
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