『十で神童、十五で才子、二十過ぎれば只の人』
アーニャは私の幼馴染である。彼女は天才で、成績はいつもトップクラスで学校中の憧れの的であり、将来有望な少女である。でも彼女が挑んでくる勝負に私は1度も負けたことは無く、いつも悔しそうに泣きべそをかくのは彼女の方である。
それは何故か。それは私が『転生者』であり、前世の記憶を持っているためだ。
―――この物語は『転生者』である平凡な私と、『天才』である無謀で有望な少女との闘争のお話である。
書籍化済みのオリジナル短編1話完結作品。
転生した前世知識により神童となった凡人な主人公による、
どう足掻いても追い抜かれる天才少女に立ち向う過程とその果てに得た尊いものが描かれます。
幼馴染の天才少女に魔法小学校からペーパーテスト勝負を挑まれ続けている主人公は
小学校のテストは当然全て満点を取って負けて悔しがる彼女を見続ける日々を送っていた。
しかし魔法中学校・高校に進むにつれて前世知識だけでは満点は取れなくなり、
遂にどんなに勉強しても少女に負けてしまうことに。
前世知識という圧倒的なリードを以て尚高校で追い抜かれた以上、
大学では最早勝負をする場にすら立てなくなることは自明で。
大学で前世の社会人の実務経験を生かせるコンテストが開かれると知った主人公は、
これが最後なのだと前世と今世の全てを賭けた全力の勝負を天才少女に挑んでいきます。
本作は転生をテーマとして天才と凡人の才能の差を描き切った作品で、
どんどんと差が縮まるテストの点数によって主人公の現状が分かりやすく示されます。
本作前半は前世知識によるメッキが剥がれ落ちていく神童の必死の抵抗と、
遂に天才に追い抜かれてしまった後半は挑戦する側となった凡人の決死の戦いが描かれ
主人公の凡人たる苦悩が短編一話の中で本当に良く伝わってくる。
そして凡人と天才の差に苦悩し続けた主人公だからこそ得たこの結末が素敵で、
神童であった時に天才たちに自分の知識を教え続けてきた経験と
そんな天才たちに何とか追いつこうとした自分自身の凡人ぶりに直面し続けた主人公に対して
本作で示された職業は本当にこれ以上ないほどに良く似合っています。
努力して努力しても天才少女に追い抜かれた果てに主人公は一体何を得たのか。
その答えを是非本作で確認してみて下さい。
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— 夜市よい (@yoichi_041) June 21, 2023
転生し前世知識により神童となった凡人主人公による、
どう足掻いても追い抜かれる天才少女に立ち向う過程と
その勝負の果てに得た尊いものが描かれる短編作品です。
「転生者の私に挑んでくる無謀で有望な少女の話」
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