平凡なサラリーマンだった彼は、一夜にしてフランス料理店のオーナーとなった。
その店は、かつて彼の父親が目指していた店とは程遠かった。
いい加減なギャルソン。マニュアル通りにしか動けないソムリエ。
いかがわしいバーテン。半人前のシェフたち。
彼は、かつてその店でギャルソンとして働いていた父の友人を呼んだ。
その手で、店を昔の姿へ戻すために。
しかし……彼は、誰の目から見てもオーナーには向いていなかった。
三谷幸喜脚本のTVドラマ「王様のレストラン」をやる夫スレ化した全11話完結の長編作品。
読了後には思わずお腹が空いてフランス料理店に行きたくなること請け負いの、
愛すべき馬鹿な店員たちが潰れかかったレストランを再建させる人間ドラマです。
主人公やらない夫は父の遺言で突然フレンチレストランのオーナーとなり、
亡き父の相棒のギャルソン(ウェイター)であったセイバーと共にその店に赴くことに。
しかしそのレストランは自分の店の料理を満足に説明出来ず、予約客の名前は間違え、
更には話中の客に割り込んで客の会話を盗み聞きしたりと潰れかけるのも納得な現状で。
それでも店のオーナーに就任した以上はオーナーとして経営をしなければならず、
最も効果的な赤字解消法として先ずは当然この駄目な店員たちをリストラしようと
一人ずつ面接をしますが店員たちも徹底抗戦の構えをとり一触即発の事態に。
そこから前職の経験を元にリストラを回避し店員の信頼を得て一流の店へと変革していきます。
本作は個性豊かな店員たちのキャラクターによるコメディが魅力的で、
腕があるがやる気が全く無いシェフ朽木ルキアを始め、
プロフェッショナルの要素が欠片もなくてもこと団結に関しては一流な店員たち。
三谷幸喜らしいコメディの良さはそのままに、作者の配役の妙を加えて表現しきれています。
そして主人公やらない夫の誠実さが輝いているのが特徴で、
職場放棄をしでかした店員を巡り信頼しているセイバーと口論になるも、
「仲間を捨てるくらいなら……一流なんて夢はいらない。」と許して仲間を信じ抜く。
とても常人には出来そうにありませんが、人の信頼はこうして得ていくものと感じました。
人を信じるのが最初のリストラの描写から始まり本作全体に渡ってのこの主人公の良さですね。
最終話ではそんな主人公の元成長した店員たちが、
見事に1話と対比させられる一流のレストランに変貌を遂げて読了感も良い作品なので
是非特に三谷幸喜のコメディが好きな方は一読してみて下さい。
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— 夜市よい (@yoichi_041) May 7, 2023
三谷幸喜脚本のTVドラマをやる夫スレ化した
全11話完結の長編作品。
愛すべき馬鹿な店員たちが潰れかけたレストランを
波瀾万丈ありつつも再建させていく
人情味溢れるコメディドラマです。
「La Belle Equipe【王様のレストラン】」 https://t.co/MP3MKdICK8
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