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とある小さな武器屋に巻き起こる事件を描く、日常に根ざした良質ファンタジー「武器屋リードの営業日誌」

七三ゆきのアトリエ
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五月八日の小説倉庫
軽めの創作小説を掲載しています。

とある田舎町のとある武器屋。昼めしが五日連続オムレツである事を除けば
どうということもない平和な一日……になるはずだった。
道端で袋叩きにされている少年を助けてみれば、なんと王子様?
武器屋リード・アークライトの日常を描くライトファンタジー。

第1~第3話(章)まで完結、第4話でエターのオリジナルファンタジー作品。
エター作ですが中編連作形式の作品なのであまり気になりません。
とある武器屋の店主が1話毎に降りかかってくる問題を解決していく、
壮大な世界の危機ではない、しっかりと日常に根付いた本格ファンタジー世界が描かれます。

それぞれの中編の中には読者が予想出来ない起承転結があって各キャラクターの解像度は高く、
スコップに疲れた身体に良い、読んでいて安心出来るような独特の魅力を放っています。

若干25歳にして武器屋の店主となり7歳の少女と2人暮らしをしている主人公リード。
ある日武器屋の営業中に駆け込んできた少女から「助けてください!」と緊急事態が発生し、
店の展示品の薙刀を手に駆けつけると4人の男達が1人の少年を取り囲んでいた。
事態を収拾し怪我をしてボロボロになった少年を家で介抱していると、
実はその少年は国を逃げ出してきた王族であることが発覚。

なぜ身分を簡単に明かして護衛の1人もいないのか?と当然訝しむ主人公ですが
一先ずは一般人として彼を扱うことにして。
そうしているうちに彼の王族の事情に巻き込まれていって、
最後の最後に主人公の冴え渡るトリックが明かされ終幕へと移っていきます。

本作はこの第1話王族編にも表れていますが、続く第2話短剣と待ち人編、第3話竜を追う者編と
各中編でそれぞれの話の結びが予想以上の高いレベルで笑いあり涙ありしんみりもありと、
様々な方向から読者を驚かせてくれる構成が一番の魅力。

この精霊鍛冶師さんには誰もが騙されるでしょう。

そして中編毎に登場するキャラクターが変わっていく中で、
パッとしないキャラは存在せず全員がっちりとキャラクターが立っているのが良い。
キャラの背景がしっかり描写されているので突然の登場でも普通に受け入れられます。
自分のお気に入りは一割引を間違えて九割引にして売ってしまったクレアちゃん。
そしてそれに苦笑する主人公の序盤の描写一つで性格がばっちり表現されていることに
この作者の技量の高さを感じ入ります。

各話でまとめて読めるTXT版がありますが、味気ないので個別に読むことを推奨します。
そんな主人公最強ものとかチートとかハーレムとかに疲れてしまった方に特にお勧めな本作。
エターは残念ですが、今でも読み返したくなる魅力があるので是非一読してみてください。

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