刻みつけよう、私のことを。私がいない世界でも、私を覚えているために。
アイマス原作3万文字の全4話完結短編作品。
アイドルユニット、レイジー・レイジーで順調に活動していた一ノ瀬志希が、
世界に記憶を刻み付ける行動に至ったその過程がシリアスに、美しく、語られていきます。
自他ともに認めるギフテッド一ノ瀬志希はユニットでのライブ中に、
ユニットメンバーの宮本フレデリカから突然ユニット解散を告げられる。
そして解散と時を同じくして担当プロデューサーは失踪し、
さらにその数日後には生涯を賭けた研究が破綻していることを告げられた父親が拳銃自殺。
身も心も追い込まれた一ノ瀬志希の家に自分に解散を告げた宮本フレデリカがやってきて。
複雑に絡み合ったそれまでの数々の謎がフレちゃんの行動によって明らかになり、
そして最後には父の研究が関連付けられる本当に良いPRUST EFFECTな描写が描かれます。
以下軽いネタバレ有り。
色々謎が残る本作ですが、自分の解釈は以下です。
・そもそも何故ユニット解散をフレちゃんは言ってきた?
・そして何故その日にプロデューサーは姿を消した?
・どうしてフレちゃんは事務所に顔を出さなくなった?
⇒Pが入院することを知っていたから1(注釈は完全なネタバレの解釈を含み読了後推奨)
恐らく解読できなかったイマジナリーフレンド描写と、
作中度々登場するマドレーヌのプルースト効果、構造主義(ex.旅と探検家が嫌いだ:レヴィ=ストロース・悲しき熱帯)の意味が分かれば良い解釈が出来ると思います。
Pの匂いはプルースト効果でママと一緒で自分の前からいなくなる匂いという暗示かも。
一瞬、父=プロデューサー説も浮かぶ程解釈難しかったので違う解釈の方是非コメント下さい。
あと、検死で海馬が萎縮していたという描写は
物事をやり過ぎる描写もありアスペルガーだったことを示している筈。
数十分で読み終わる本作ですが、紹介は非常に難しく三時間以上費やしました。
美しい話の裏にある謎が本当に深い作品なので、それでも記事を書きたくなる素敵な一作です。
記事紹介ツイート(作品が面白かったらいいねをお願いします!)
①プロデューサー引き継ぎ資料がある⇒自分の意志で失踪は確定
②あの日のママと同じプロデューサーの匂い⇒消毒液の匂いでは?ママは白血病で無菌室だったと考えると同じ白血病疑惑
③フレちゃんは物いっぱい詰め込んだボストンバッグを抱えていた。⇒P入院先の荷物?
④「どこか行けるところがあったら良かったんだけどねえ」⇒荷物の行ける場所がない=P死亡
…フレデリカはライブ時にはPがいなくなることを知っていた。
家にやってきた日にはPは死亡。最後に一ノ瀬志希を一目見ようとやってきた。
それまで抗鬱剤でなんとか生活を送っていたがもう飲む意味も無くなると思い(それかマドレーヌの匂いでフランスにいた時を思い出したか)飲まず自殺
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