・三行あらすじ
転生チートオリ主
WAFUKUチート
火薬チート
・前編のあらすじ:
妹である荀彧によって自らの才能の限界を思い知った荀シン友若。逃げるように生家を離れた友若はひょんなことから袁紹に仕えることになる。袁紹のもとで頭角を現した友若は冀州を飛躍的に発展させて、富と名声を手にする。だが、猛烈な勢いで勢力を拡大する袁紹を怖れた皇帝によって、友若は天才達の舞う戦場へと立たされる事になり……
・後編のあらすじ:
辛くも曹操軍の追撃から逃れた友若と袁紹。命が無事だったことに安堵する友若であったが、袁紹をはじめとする周囲の人間は再戦への意欲を燃やす。曹操を恐れて戦いに反対する友若は袁紹勢力内部で孤立してしまう。更に予想外の出来事により事態は混迷を深めていく。そんな中、友若はある決断を下すが……
恋姫無双の世界に転生した主人公。
転生した優位を活かそうにも生まれたのは三国志の誇る「王佐の才」荀彧の兄という立ち位置。
そんな7歳の妹相手に議論で叩きのめされたことから自信を喪失し、
自分の才能を見限り平々凡々と生きようとするも異常な天才たちと戦場でぶつかり合うことに。
そんな転生した凡人vs天才を描いた一作です。
主人公荀シンはその浪費癖により仕方なく導入した「株式」や「銀行」が次々に成功していき、
最終的には恋姫世界に「金融」という概念を持ち込むことで、
曹操や劉備等天才たちが戦っている舞台自体をひっくり返していく。
本人的には転生により結果が分かっているものを仕方なく後出しで導入しただけであったが、
余りにも成功したので宦官の嫉みを買い皇帝に逆賊認定されてしまうことに。
そんな経緯で頭の出来ではただの凡人の主人公が漢帝国と戦うことになるが、
曹操や孫堅等尋常の手段ではかなわない化け物を相手に悩みぬく主人公がとても良い。
――どう足掻いてもあれに勝てない。
――だって、あれはバケモノなのだから。
――それじゃあ、何のために生きるんだ。仲間を見捨てて、一人だけで……くそっ! 妙な情が移っちまった。
――大河の氾濫を俺一人がいれば止められるって居るのか? どうあっても勝てないと思い知ったはずじゃないか! どうしようもないことだ!
そして対する天才たちの描写も秀逸で、ただの敵としての描写ではなく、
荀彧の天才性と誰にも分かってもらえない苦悩の独白がとても心にくる。
そんな対立している両者それぞれの魅力をまとめ上げた傑作です。
最終的には曹操に「超えるべき壁」とまで認識されるまでになる凡人の主人公が
どんな偉業を成し遂げたのか是非読んでほしい。
残すは最終話というところでエターとなっているが、
それまでの特に終盤「けーりん」での荀彧の覚悟を見た主人公の決意はとても燃える。
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