本編197話のオリジナル安価スレ長編完結作品。
安価により世紀末となった世界で戦争を防ぐ為に外交から裏工作に奮闘する主人公やらない夫。
魅力的に敵役キャラ達を描き出した対決過程と共に予想外の裏ルート突入によって、
謎に包まれた世界の真実が明らかになり見事なエンディングを迎えた大作です。
前作「やる夫に残された時間は24時間のようです」がありますが未読でも十分に楽しめます。
剣や弓の戦いが主流の中でダウンズというACネクストのような決戦兵器が運用されている世界。
そのダウンズを多数確保し力で他国を管理下に置いている超大国・平和圏を追放された
主人公やらない夫は学徒による完全成果主義国家に流れ着く。
そこで所有するダウンズを活用し国を統治する生徒会からの任務を安価でこなしていた所、
モンティナ・マックス少佐率いる隣国が侵攻してくることに。
そしてここまではルート未確定なプロローグでしたがここでルートが安価により確定し、
身近な人を守る為に戦争を防止する片っ端から内外に敵を作っていくルートに突入。
戦争を未然に防ぐ為に誰からも称賛されない極秘任務に赴いて、
戦争の遅延工作に外交戦を繰り広げていくやらない夫はその過程で世界の真実に迫り
世界を焦土に変えんとするモンティナ・マックスを始め5つの世界崩壊ルートが明らかになる。
そんな滅びに向かう世界の厄ネタは増え仲間にもその真実を打ち明けられない中で、
高難易度に挑んだ読者達とやらない夫の世界を救う奮闘が始まっていきます。
本作は科学文明の代替となった妖精石によって構築された深い世界観を元に
様々なルートが用意された安価スレらしい自由さが両立された作品となっていて、
一つ一つの安価が積み重なり主人公のスタンスが確立され隠されたルートが開示されていく。
最初の30話までは世界に馴染むプロローグでそこからどんどん世界に引き込まれます。
そんな展開の他にも戦闘安価を元にダイスによって決まる緊張感のある戦闘シーンや、
敵の謀略を防ぐ為に集めた証拠を元に高度な駆け引きを安価で行い交渉し戦争抑止を果たす。
この高度なシステムによって先が見通せない臨場感あるシーンの連続が味わえる。
本作で特に印象的なのはパチュリー安価3連打によって生まれた実質2週目な裏ルートと、
対志々雄真実戦の対になる燃える変身口上から特に敵キャラが魅力的になっていった点。
数多くのIFルートによって敵キャラの背景が明らかになって挑む黄昏編と原典戦争編が始まり、
中盤から加速するようにどんどん面白くなっていきます。
本作が国家メイクから始まった作品だとは読み返しても中々信じられない設定の濃密さで、
読者達が本気で安価に挑んでいった結果生まれた大作なので是非一読してみて下さい。
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