最近三国志について語らう際に飛び出してくる、「正史では~」率の高さ、蜀アンチの多さたるや、雲霞の如し。
癒しを求めて恋姫二次を漁ってみたら、二次創作における桃香ちゃんの風当たり辛きこと冬の如し。
だから、桃香ちゃんの部下が桃香ちゃんを思う存分愛でる二次作品を書きたかったんです。
全14話23万字恋姫原作長編完結作品。
大徳劉備が関羽達と出会わずにやくざ者数百人を集めた愚連隊を結成。
原作と違い一国も作れない小さい立場から太平の世を実現するために、
桃香ちゃんらしいやり方で新たな外史を作っていく彼女に癒される恋姫2次創作です。
メタネタがあるので恋姫2次をある程度嗜んでいる人向けです。
時の大将軍何進の下で働いていた主人公は家庭事情もあり職を辞して放浪の旅に出た所、
まだ関羽達と出会えていない頃の劉備が匪賊に襲われていて何とか不意をついて助ける。
しかしその後でとても可愛らしかった劉備に自分を尊敬してもらいたくて、
劉備のお陰で匪賊を打ち倒すべく立ち上がったとつい法螺を吹いてしまったのが全ての始まり。
襲われた匪賊から金を頂こうとすると彼らは身の危険から逆に家臣にしてくれと頼みこんで、
これを承諾し義勇兵団を立ち上げると宣言した劉備についていくことになってしまう。
こうして世直しと資金調達の為に匪賊を襲い身ぐるみ剝いだり仲間に加える旅を続けていくと、
見事にごろつきばかり数百人の愚連隊が出来上がり主人公はその副頭領に任命される。
それと同時に蜀のメンバーを劉備の代わりに率いる原作主人公北郷一刀も台頭してきて、
同じ思想を持ち自分よりも遥かに大きい勢力を率いる一刀を見て自分は要らないと悩む劉備。
どうやって大勢力な北郷一刀との違いを出していくのか。
その答えを迫りくる黄巾の乱を愚連隊らしいやり方で一挙終結させ、
更にはならず者を率いたこの劉備にしか出せない方法を以て見せていきます。
本作は小勢力の劉備を描くので戦争描写はメインではありませんが、
その分あらすじにもあるように桃香ちゃんを全面に押し出した作品となっています。
桃香自身に力はなく原作と違い綺羅星たる仲間たちもいないモブだらけな中で、
それでも民草の為に活動を進める彼女の道のりがその始まりから克明に描写され、
原作とは違う成長を遂げていく様子が本当に可愛らしい。
そして桃香にも負けない愚連隊にまさかの参入を果たした桂花のツンデレも輝いていて、
北郷一刀を含めて2次創作で扱いが難しいこの3者の魅力が十分に伝わるのが良い。
そして主人公自身も火の車となっている現場で力を発揮出来る社畜力から
主人公に降りかかる苦難は絶えず和気あいあいと楽しませてくれました。
そんな普段見れない一面が見れる作品なので是非一読してみて下さい。
コメント