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ハーメルン

感涙必至なユウキの生きた道がまた一つ「ユウキに転生したオリ主がSAOのベータテスターになったら」

ユウキに転生したオリ主がSAOのベータテスターになったら - ハーメルン
ユウキ(転生者)と、その友達のお話

ユウキ(転生者)と、その友達のお話

SAO原作既読者向け全8話10万文字完結作品。
前世があるユウキ自身にしか見えないオリ主によって、
何度読み返しても感涙必至なキリトとアスナの結婚披露宴が描かれていく、
全ユウキファン必見といっても全く過言ではない傑作です。

ナーヴギアが発売されてここがSAOの世界だと気づいた転生主人公ユウキは、
それまでの主人公の影響で製品版をプレイする直前だった姉の代わりにSAOに赴き、
攻略組の最強アタッカーとして攻略に貢献しキリトと親友になる。
そして運命の死期が近づき最後に会うと決めたのはアスナではなく親友のキリトで。
最後になんかやり残したこととかないのか?と聞く彼にユウキは一言こう返した。

「そう。今から。キリト、映像記録用のアイテム持ってたよね。それ起動して」

原作知識があるからこそ自分が生まれた時から死病に侵されていることを知っている彼女が、
何故そんなにもユウキ本人として振る舞いSAOではプレイヤー達の幸せを求め駆け回ったのか。
キリトとの永遠の別れとなった一幕からそれらが明らかになるSAOやALOでの過去編に移り、
そして来ると分かっていても心に残る素晴らしい結婚披露宴が満を持して始まります。

本作は一見無駄な要素にすら思えた「ユウキに転生したオリ主」設定を見事に生かし切った
簡素なタイトル・あらすじから良い意味で騙される作品となっていて、
果たして転生する必要があったのか?とメタ読みする読者に対して彼女視点での描写は一切なく
他者視点から一つ一つオリ主の真意を紐解いていくこの構成が先ず見事でした。

「そう、69層! まだ69層なのにあの二人はもう結婚するんだよ! これがどういうことかわかる!? つまりボクのおかげってことなんだよっ!?」

「―――だって、皆はボクのこと『ユウキ』として扱ってくれてるでしょ? だからボクも茅場とヒースは別物だって思って接してるだけだよ」

そして本作は何といってもオリ主の真意が明らかになって遂に訪れた第三話の結婚披露宴で、
ハードルをこれ以上なく上げても易々と越えていった感動的な描写は最高の二文字が相応しい。
安易にユウキを題材にした安っぽいお涙頂戴な物語とは絶対にならない、
正しく劇場版SAOであの幻影を見た瞬間の衝撃とその後の余韻が読者を襲います。
そんなユウキ推しの方にお勧めな傑作となっているので、
このオリ主が2度目の生涯を生き抜いた結果作られた道の果てを是非一読してみて下さい。

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