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ダークファンタジーで決して外すことのできない傑作「DARK QUEEN」

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 戦乱の地クランツ大陸に平和をもたらした神聖女王クラナ。後世にて史上最高の名君と湛えられる彼女の正体を知るものは少ない。実際に莫大な政治的成果を上げ、慈愛の君として知られた彼女。部下達を上手く使いこなし、実際に平和で平等な社会を築き上げた彼女。しかし……その真の姿は、人では無かったのである。彼女の心にあったのは、人類に対する侮蔑。そして、客観視点のみ。慈愛の政治を行い、成果を上げたのは、それが人間を良く知る彼女にとって都合が良かったからに過ぎないのだ。
闇の獣クラナが産まれ、大陸を制圧するまでを描く、暗黒寄生ファンタジー

本編8話+番外編5話のオリジナルダークファンタジー完結作品。
初めて本作を読んだのは遠い昔の10年以上前ですが未だに忘れられません。
個人サイトの中で自分の最も思い出深い作品が本作となり、
「Wordgear」「bookshelf」「蒼天」等数多くの個人サイトが登場して停止していった中、
令和の今も尚独自のスタイルで更新を続けられているD.W.W氏には本当に感服するばかりで、
氏の代表作の本作では、人間よりも人間を知り尽くした化け物による大陸征服が描かれます。

両親に売られて生体兵器を開発する研究所の実験台となった主人公クラナは
無理やり飲まされた卵の生物に肉体の大部分を乗っ取られてしまう。
その生物はクラナとコミュニケーションを取りながら着実に人間社会を学習していきますが、
ある時訪れた研究所からの脱走の機会で優しいクラナは人を殺せず逆に殺されることに。
宿主としていたクラナが死んでしまい乗っ取っていた生物は、
自分自身を犠牲にしてクラナと完全に融合することで何とか脳の再起動に成功。
そうして化け物と完全融合し超越者となったクラナは手始めに研究所の人間を皆殺しにして
化け物が生き延びる為には人間を支配するしかないと決意し彼女の無慈悲な覇道が幕を開ける。
そんな彼女が如何にして大陸を制覇し本質とは全く逆の慈愛の君として君臨出来たのか。
傭兵団から名を売り軍に入って圧倒的な戦果を挙げて戦局、そして国政を動かすに至る
彼女が成り上がっていく過程を重厚でシリアスに描写されていきます。

本作は本編全体に渡って描かれる主人公クラナの圧倒的なカリスマ性が魅力的で、
人間を吸収することで誰よりも人間を知り、他人を道具としか思わないその公平性によって

何処までも利己的で邪悪だと分かっていても部下達に忠誠を誓わせていく。
そう思わせるに至ったキャラクター達の心理が特にクラナ以外の視点の番外編で良く分かる。
印象的なシーンはイツァム将軍の最後の願いのシーンで、
果たして主人公に利用されたままなのかと思っていたらしんみりさせてくれました。

そして戦争描写も良く出来ていてクラナの先天的に得た生物兵器としての単体戦力の強さと、
後天的に得た将としての部下を統率し使いこなす戦略の双方が本格的に描かれ、
一戦一戦また違ったクラナの戦いが彼女の成り上がりと共に全く飽きずに読み進められます。

そんな人を人とは思わない本作にしかない独特な名君の形が見れる、
お勧めな作品なので是非一読してみて下さい。

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