
現在90話32万文字で第二部まで完結しているオリジナルファンタジー長編連載作品。
全ての士官が直前の戦闘で戦死した輜重部隊へ着任することになった主人公が、
部隊を掌握し何とか補給を立て直すことに成功するも待っていたのは無謀な侵攻作戦で。
政治や権力の都合で振り回される現場の悲哀からその逆境を見事な創意工夫で改善する様子に、
盛り上がる戦闘に加えて可愛らしいヒロインの成長も一人の将校の視点から楽しめる大作です。
前線の輜重隊へと着任の報告に来てみれば隊長に次席士官までもが戦死していて
誰も取りまとめていない部隊を何も分からないまま掌握する必要に迫られた主人公ですが、
次に飛び込んできたのは戦死した士官達が結託して軍資金を着服していたという不祥事だった。
そんな前任者からの引継ぎどころではない中でも襲撃によって補給物資が焼かれた事実は
前線の指揮官に報告せねばならず更には敵による再襲撃がいつ来るのか分からない。
思わず嘆きたくなるようなこの状況下でも丁寧に仕事をこなし終わりが見えてくると
今度は着任早々戦果を欲した指揮官による侵攻作戦に巻き込まれていきます。
本作は押し付けられた上の都合で生まれた数々の苦境の中でも
商家生まれらしくあらゆるものを活用して兵站の破綻を防いでいく現場の描写が面白く、
思いつきな為に情報も準備も何一つなく高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に行うしかない
敵地への侵攻作戦をも実行可能なものにした手腕等主人公の格好良い姿が光ってます。
個人的にあまり想像出来ていなかった輜重隊での渡河もその準備から描写され分かりやすく、
その苦労が伝わってきましたがそれにしてもこれが敵がいなく流れもゆるやかな川で良かった。
そして兵站将校として補給計画を練っていく以外にも防衛戦での戦闘が盛り沢山で、
思わず上官を撃ち殺したくなる状況を堪えて逆に痛快な皮肉で部下を盛り上げて戦闘に臨み
戦場では野戦指揮官として戦闘を指揮し続けるという将校の鑑っぷりを見せてくれる。
その緊張感ある戦闘描写に可愛らしく有能な副官との日常も挟まれてきて、
見ていて微笑ましくなれる男女2人の関係性の行方にも注目です。
そんな輜重隊の任務と苦労が良く分かる作品となっているので是非一読してみて下さい。
本サイト一番最初の新作紹介記事で本作を取り上げた際に記載した個別紹介記事も書けたので、
後は恐らくそろそろ始まるであろう第三部の連載開始を待ちます。
現在38話15万字の長編ファンタジー戦記作品。
https://yoichi-yoi.com/archives/34962
上官が軒並み戦死していた為に着任の報告をしにきた主人公がいきなり補給部隊の隊長に。
そして何も分からない部隊を先ず下士官に信頼されるところから始めていきますが、
部隊内での不正は出るわ上層部が決めた無謀な方針に沿って戦っていかねばならなくて。
そんな逆境の中で主人公が将校として為すべきことを一つ一つ地道にやっていて格好良く、
読みやすい兵站描写に可愛いヒロイン的な部下もいて書籍化されても全く驚かないし買う。
丁度現在第1章完結でこのまま連載が続いていけば個別での紹介記事も書きたい。
記事紹介ツイート
紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) September 26, 2025
全ての士官が戦死した輜重部隊へ着任した主人公が、
何とか補給を工面して直面したのは無謀な侵攻作戦で。
政治に振り回される現場の悲哀から
その逆境を見事な創意工夫で跳ね返し
盛り上がる戦闘も楽しめる大作です。
「兵站将校は休みたい!」https://t.co/u4VuMufnLt
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