遥か未来、大陸の殆どが海に沈んだ地球……。
かつての文明を忘却の彼方に追いやるように、人々は残された大地で独自の文化を形成し、生活を営んでいた。
そんな人々を支えるのが、彼らディグアウター達である。
彼らは海や大地の奥底に眠る古代文明の遺跡を発掘し、
そこからディフレクターと呼ばれるエネルギー源を採取する。
彼らなくしてはこの世界が成立しないと言っても過言ではない。
そしていつしか彼らの間である噂が囁かれるようになる……それは『大いなる遺産』の伝説。
人々の豊かな暮らし、支配の欲望、巨万の富、様々な思いを交錯させて、ディグアウター達は世界を駆ける、飛行船と共に。
これは非合法ディグアウター、通称“空賊”と呼ばれる者達の中、
後に『BBブラザーズ』と恐れられた二人組の、若りし頃の物語であるッ!!(CV 大塚芳忠)
ロックマンDASHを基にしたオリジナルストーリーで送る本編29話完結作品。最終スレはこちら
高度文明が滅んだポストアポカリプス世界で古代遺跡を探検するやる夫とやらない夫の下に、
古代人の船に乗った謎の少女・真希波マリが空から落ちてきた。
そこから少女の目的と古代人の謎が解明される心躍る大冒険活劇が展開された大作です。
ロックマンはエグゼの方しか知らないのですが全く違う世界観に驚くと共に楽しめました。
遥か未来文明が滅び残された人々は独自の文化を築いた世界。
その世界でやる夫とやらない夫は非合法で古代文明の遺跡を発掘する空賊として、
一生遊べる金を稼ぐ為に遺跡を漁る日々の中で空から突然真希波マリ(エヴァ)が落ちてきた。
どうやら彼女は強大な機械生命体と戦い古代人の技術で作られた船が故障してしまったようで、
やる夫達は船を奪っても売り捌けないと判断し謎の少女と共に修理の為に遺跡に挑むことに。
その過程で立ちはだかるのは遺跡を守る機械生命体に加えて、
同じく遺跡を狙う空賊一家のローゼンメイデンに歴戦の遺跡発掘人ジョセフとムスカ。
その三つ巴の遺跡攻略をしていく中でやる夫とやらない夫の人情味溢れる過去と、
妙に遺跡に詳しく自分達をデコイと呼ぶミステリアスな真希波マリの背景が判明する。
そして舞台は真希波マリが落ちてきた死の海と呼ばれる絶死の海域に移り、
やる夫達が求めていた伝説の大いなる遺産を目前とした冒険物語で締められていきます。
本作はタイトル「古き良き時代の大冒険活劇」正にそのままのワクワクさせてくれる、
未知だったものが少しずつ明らかになる冒険模様がとても楽しめました。
遺跡攻略ではハッキングが光るやる夫と空賊としての技量が卓越しているやらない夫、
そしてその2人でも陥るピンチをマリの知識で埋める連携で夢中にさせてくれて、
その冒険の中で明らかになるシリアスな設定にも立ち向かったラストも盛り上がった。
その3人の格好良さがこれ以上なく描写されるメインの構成に加えて良かったのが
メイン3人以外にも魅力的だったサブキャラクター達で、
序盤は唯の敵キャラにしか見えなかったローゼン達もその背景が深掘りされていく。
キャラクター達がしっかりとこの世界に生きていることが伝わる描写が良い。
特に印象的なキャラは相棒の命か大いなる遺産のどちらを取るかに迷わず両方取ると答え、
本当に強くなければ選べない殺さない道だったからこそ最後まで生き延びたやらない夫。
彼のやる夫との友情にハードボイルドな魅力が光ってました。
そんな本格的で王道なストーリーに挟み込まれていく小ネタの数々も笑えて、
纏まっている構成に緩急つけて更に面白くなっている大作なので是非一読してみて下さい。
PS.第11話の読者コメントでの連携にも笑いました。
コメント