ゼロ魔×銀英伝の全31話の長編完結作品で、ゼロ魔世界が銀英伝の高度文明に驚く姿は勿論、
あの銀英伝の名提督たちがファンタジー魔法に驚く姿を是非一度見て欲しい名作です。
テロリストに銃撃され死にかけなヤン・ウェンリーがゼロの使い魔のルイズに召喚され、
魔法の力で何とか一命を拾ったことから本作は始まります。
しかし、王政で専制主義のトリスティン王国貴族であるルイズに対して
自由と民主主義の第一人者たるヤンがルイズの使い魔に甘んじる筈はなく
爆死する寸前のところで執事として雇用契約を結ぶことに。
そうして異世界から自由惑星同盟に帰る為に着実に前に進んでいく様が描かれます。
この作品は先ず生活無能力者のヤンが貴族の執事をしているのが面白い。
そんな執事生活から、強制イベントと名高い死地アルビオン編の回避から頭角を現していき
最終的には異世界でも一軍を動かす立場に立身出世していく様が魅力的に描かれています。
また原作をなぞらない独自展開が非常に魅力で、
・エルフですら太刀打ち出来ない、聖地よりわき出す悪魔
・そしてその手がかりとなる、サヴァリッシュ最後の書
等様々な独自設定が出てくるが、しっかり銀英伝の設定を取り入れているので納得感しかない。
そんな設定に唐突感がない説明がされているので、ゼロの使い魔の原作を知らなくても、
ヤン・ウェンリーが異世界に転移していたら?というIF作品としても面白い。
さらにハルケギニア側だけではなく、イゼンローンや銀河帝国側の描写もあるので
銀英伝ファンにもかなりお勧め出来る。
下記のような異世界の魔法に戸惑う提督たちはこの作品でしか見られません。
「そんなわけがあるか!一体、何度説明したら分かるんだ!
いいか、そんな簡単な話なら、とっくにあの平行宇宙の原始惑星の空を、銀河帝国の大
艦隊が覆い尽くしている!
たとえあの星の住人が、我らの偵察機や無人探査機を数千機、尽く破壊しつくす気象兵
器を持っていようが、分身の術を使うニンジャだろうが、大陸を何故か大気圏内に浮かし
続ける重力制御技術を持っていようが、一瞬で建造物を原子の塵に変える超能力者だろう
が!
宇宙戦力を持たない以上、栄光ある銀河帝国の敵ではない!」
そして何よりも銀英伝ファン全員が見たかった以下の一言は必見。
そんな銀英伝ファン垂涎の一作となっているので是非読んでみて下さい。
「WELCOMEHOME!YANG」
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