パワプロマイライフの長編完結作品。原作知らなくてもバントが分かれば大丈夫でしょう。
社会人卒の便利屋として入団した筈が球界の渋い記録を次々と塗り替えていった、
赤座できない夫の20年のプロ野球人生を追っていきます。
大正義な先発投手だった伊藤やる夫編よりもこのできない夫編が個人的に好き。
パワプロ2012の野球選手の人生を体験するマイライフモードにて、
難易度ノーマル・試合の手動操作無し・安価でプライベートの行動指定で進行し、
操作するのは以下の初期能力で社会人卒(24歳)な赤座できない夫。
できない夫/右投両打/二捕一三遊外
[野手能力]
弾道2 ミートE40 パワーF35 走D50 肩D50 守D51 エラーD52
[特殊能力]
粘り打ち、バント○、逆境○、代打○、意外性
ミート多用、慎重打法、慎重盗塁、積極守備、選球眼、チームプレイ○
投手以外の全てのポジションを一定水準で守れることを見込まれて
ジャイアンツからドラフト5位指名を受けたできない夫は、
社会人で年俸は1000万以下となると子供がいる身なので渋る妻の翠星石を
2年で結果を出さなければ諦めて元の会社に戻ることを条件に何とか説得。
そして2年目で144試合出場打率.246とセカンドのレギュラーに定着し、
守備も軽快にこなすバント職人として年俸は6200万円にまで上昇する。
そうして何とか野球選手としての道を続けられることになったここまでがプロローグで、
3年目からの本編で「忍者」という称号が与えられる程の活躍を見せていきます。
本作は個性となった特殊能力「バント職人」「守備職人」「意外性」「チームプレイ〇」に
代表されるような地味で影の薄さを極めていく育成方針が良く、
打撃の基礎能力を絶対に上げない方針でもここまで上り詰めることが出来るのかと
新鮮なプロ野球選手の人生が味わえる作品となっています。
自分でマイライフをプレイしていた分には大正義プレイになりがちなんですよね。
好きな描写はライバルとなるドラ1のゴールデンルーキーがセカンドに入ってきて
ゴールデンルーキーvsできない夫のポジション争い開幕かと思ったら、
このできない夫はどのポジションのレギュラーより上手い守備で且つ絶対的2番打者なので、
既存のスタメン全員とできない夫との間のポジション争いが勃発した所。
ユーティリティープレイヤーの概念が壊れる。
そして晩年はコーチとして頭角を現して1人でチームを鉄壁の守備軍団に育て上げる、
チームカラー自体を劇的に変化させる圧巻の力量を見せて、
選手成績にも慣れるとコーチとしても楽しませてくれました。
選手としても衰えが始まった最後には現役生活20年という予定調和の引退を覆すような
あの基礎能力値でこの成績を叩き出せるとはと思わせる最終年の活躍まで魅力一杯です。
セイバーメトリクス的には批判されるバント職人な今後はもう見込めない選手像が描かれ、
10年前の掲示板の雰囲気がよく出ていて今読むとあの時代ならではの懐かしさを感じました。
そんな野球選手の一人生を生き抜いた作品なので是非一読してみて下さい。
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紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) December 17, 2023
社会人卒の便利屋として入団した筈が
球界の渋い記録を次々と塗り替えていった、
名ユーティリティプレイヤー赤座できない夫の
プロ野球人生を追っていきます。
無冠にして球史に名を残したいぶし銀マイライフ
「プロ野球人生、始めました」
https://t.co/ZvubuRxyz6
コメント
伊藤やる夫編、赤座できない夫編、あとオールスター編も合わせて読みました。
名プレイヤーの活躍そのものより、一人の野球選手の人生を描いた心情的な部分にグッと来ることが多かったですね。
チームメイトたちとの友情だったり、野球に対する向き合い方だったり、家族への想いだったり。
具体的には全盛期の自分の投球を息子に見せるやる夫や、後進を育てる喜びに目覚めて選手としての欲を失い引退を選ぶできない夫(なおキャリアハイ)のシーンなんかが好きです。
ナノルさんいつもありがとうございます!
その2つのシーンは確かに野球選手の人生が詰まっていて良かった…
後は同じパワプロで現行連載中のやる夫はプロ野球選手(兼球団交渉人)も2軍暮らし
から丁寧にサクセスストーリーが描かれていてお勧めです。
読んできました、面白い!
「お前なんでプロ選手なの?」と言わんばかりのクソザコナメクジだったやる夫が、徐々に成長していって評価されていくワクワク感を味わえる良い作品ですね!
続き読みたい……。
ありがとうございます!早い間隔でどんどん連載されていて
今追っている作品の中でも推している作品だったので合っていて良かったです!