朝起きて、鏡を見たらスターリンになっていた！
権力の座から離れた瞬間に暗殺される――
逃げ道は自殺か、スターリンをやるかのどちらかしかない。仕方がないのでスターリンをやって、自殺は最後の手段として取っておくことにした話。
全33話12万文字完結のオリジナル長編完結作品。
ちょうど一月前になにわの総統一代記を紹介したので今回はスターリンに憑依したこちら。
突然1927年のスターリンに憑依した主人公がこのままでは暗殺されることを覚悟しながら
現代知識によって別物となった共産主義を主導してソ連を導いていく。
そうしてより史実よりも強大になったソ連が世界に覇を為す過程が描かれる作品です。
朝起きて鏡を見たらスターリンになっていた主人公は、
今の最高指導者の座から逃げるとそれまでの所業から確実に暗殺されてしまうために
スターリンとしてやっていかざるを得ない現実に直面する。
自分が殺されないように史実とは違った理想国家の建設に着手し始めて
先ずは第一次五カ年計画で飢餓輸出してでも重工業の発展を企図した史実から、
軽工業の発展から衣食住を安定供給することで国民生活の向上を図る方針に転換。
この突然の方針転換に反対するものは次々に粛清して農業と経済を完全に立て直す。
続く1929年の世界恐慌では内需主導型経済の為全く影響を受けず、
逆に未来知識により株式取引で大金を稼いでアメリカから工場ごと買い取った工作機械で
第二次五カ年計画で重工業を発展させることに成功。
そうして大不況にあえぐ資本主義国家を批判しつつ理想国家建設に邁進するソ連が、
来たる第二次世界大戦で世界の構造自体を変えていきます。
本作は序盤で順調に発展を遂げていく中々見られないソ連が描かれるのが特徴的で、
未来知識を持った独裁者によって導かれる技術を持った資源国という、
この字面からでも分かるチートっぷりが爽快です。
そして中盤以降の戦乱描写が架空戦記として本格的なものになっていて、
より強大となったソ連による一つの正面戦争に留まらない世界規模の戦いが描写されます。
戦争描写は殆どなく政治外交面で展開される新鮮なスターリンとしての戦いをご覧ください。
専門的な軍事用語はほぼ無い為に架空戦記初心者でも分かりやすく、
そしてよく読まれる方でも中々見ない展開の作品となっているので是非一読してみて下さい。
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